川又昻

川又昻かわまたたかし

撮影監督1926~2019年

プロフィール

東京都台東区生まれ。茨城県水戸市育ち。日本映画学校を卒業後、1945年に松竹入社。松竹大船撮影所で、小津安二郎監督作品に撮影助手として、9作品参加。大島渚監督がメガホンを取ったスター紹介短編映画『明日の太陽』(59)で、撮影監督に抜擢される。以降、日本を代表するキャメラマンのひとりとして活躍。数多くの作品を手掛け、野村作品以外では、大島渚監督作品『青春残酷物語』『太陽の墓場』(60)、小林正樹監督作品『からみ合い』(62)今村昌平監督による映画『黒い雨』(89)ほか代表作多数。生涯で93作品を手掛けた。後輩の育成や、小津安二郎監督作品、大島渚監督作品などの修復作業にも尽力した。

映画『八つ墓村』(77)撮影風景

映画『八つ墓村』(77)撮影風景

野村芳太郎監督×キャメラマン川又昻

映画『どんと行こうぜ』(59)に脚本・助監督として参加していた大島渚は、キャメラマンに、川又昻を推薦。この作品が、川又の長編映画のデビュー作となった。以降の野村芳太郎監督とのコンビは、59作品におよぶ。多彩なジャンルに挑戦する野村監督とのコンビとしての絆は深く、特に映画『砂の器』では、少人数の編成で入念にロケハンし、日本の美しくもあり厳しくもある風景をあますことなく撮影し。立体的な構造を持つ作品の成功に大きく寄与した。