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連載「女ひとり、「釣りバカ」完走してきます【シリーズ17】」

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 12年前に公開された「17」。これまでシリーズを見てきて「懐かしいー」と感慨深くなった流行りモノや画面の質感の“ひと昔前”感がほとんどなくなり、ちょっぴりさみしい気持ちに。そういえば松竹さんからもらった「釣りバカ」のサンプルDVDを再生しているのは「PS3(プレイステーション3)」なんですが、その発売は「17」の公開と同年の2006年。自分、物持ちいいな。でもまだまだ使います。

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 そして今回の舞台となるのは石川県。石田ゆり子演じるヒロイン・弓子の故郷である輪島を中心に「釣りバカ」らしい風光明媚なロケ地を堪能できると同時に、弓子の実家が輪島塗の漆器店ということもあり、その歴史や職人のこだわりなども挟み込まれ、シリーズの中でもより観光的色合いが濃い1本になっていました。つきなみな表現ですが、「日本っていい国だなあ」と思わせてくれるのも、「釣りバカ」の魅力なんですよねえ。

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 そんな中で私が気になったのは、弓子の兄役で登場した片岡鶴太郎のこと。
 鶴太郎のアート化はだいぶ前から始まっていましたが、そんな彼の芸術的側面を反映したかのような、こだわりの漆器職人役で出演していました。そのコキコキな痩身と沈痛な面持ちを見るにつけ、かつて小太りでおでん芸をしていた彼を思い、ちょっぴりフクザツな気持ちになったのでした。
 一方、弓子の恋人役で登場した大泉洋もガリガリでしたねえ。今だって決して太っていないのに昔はさらに痩せていたことを考えると、若い時っていろんなものがタイトなんだなあと感じた次第。

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 あと切なかったのは、八郎の恋愛オンチっぷりでしょうか。
 弓子からプレゼントをもらっただけでその気になってしまったハチが、いそいそとおしゃれをし(といっても変なスーツと髪型)、自分でさばいた魚を彼女の自宅に届けにいく痛々しさよ……。その浮かれ具合に、みち子さんですら閉口しているのが辛かったです。
 そこへくるとやっぱりハマちゃんは何につけても“勘”がいいといいんですね。「陸で美人釣っちゃった」なんて言っても嫌らしさは皆無だし、コンプライアンスにだって抵触しない感じがあるんですよねえ。と、今回もやっぱりハマちゃん無双なのでした。


文 小泉なつみ

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