メッセージ

木下惠介生誕100年に寄せて

生誕100年にあたり、木下監督と所縁の深かったスタッフ・キャストの方々、また、木下監督作品の大ファンの方々からコメントが寄せられています。

  • 木下惠介は、現代の日本が失いかけている心の美しさを、きわめて繊細に描き続けた芸術家である。邦画史上観客を一番よく泣かせ、また最もよく笑わせた名監督であった。いまこそ木下惠介を観直したい。 長部日出雄 (小説家)
  • 敗戦後の復興期の日本人にいちばん必要だったのは、苦難に耐える同胞への同情と共感に溢れた木下惠介の映画だった。いま再び苦難を超えて復興を目指すわれわれに、その名作の数々は更に多くの励ましを与えてくれるだろう。 佐藤忠男 (日本映画大学学長)
  • 同世代の黒澤明や市川崑のように国際的に認められることはなかったが、木下惠介は日本映画全盛期の一部を成す、素晴らしい作品を作り出した。その分野や形式は多岐に渡り、いずれも素晴らしい仕上がりである。また木下惠介の作品は、戦争の負の遺産から開放を求める日本の、物質的、文化的、そして精神的な復興の姿を感動的かつ豊かに描き出している。木下惠介はまた、俳優の能力を引き出すことのできる監督でもあり、田中絹代、高峰秀子、岡田茉莉子といった日本の名優たちは彼の作品の中で最高の演技を披露している。 リチャード・ペニャ (ニューヨーク映画祭ディレクター)
  • “おどろくべきことは、この残酷な、非人間的な伝説が、この映画では、その最も人間的な面だけに照明があてられて語られているということだ。”“神よ!なんという美しい映画だ!”(『楢山節考』について)―「わが人生、わが映画」(たざわ書房)より フランソワ・トリュフォー (映画監督)

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