テレビが世に出始めた1950年代後半、映画界はそれを蔑む傾向にあったが、実験精神旺盛な木下監督はテレビならではのフットワークの軽さなどに着目し、1960年代に入ると映画界の古臭い体質にうんざりしていたこともあって、いち早くテレビ界に進出。現在のテレビドラマツルギーの基本を築き上げた。彼の目論見が正しかったことは、現在のテレビと映画の関係性からも明らか。とかく偏見を持たず何でも試したがるこの天才、今だったらケータイやモバイルで映画を作っていたかもしれない。