木下惠介とは | 木下恵介エピソード

『惜春鳥』(1959年)を撮影中の木下監督

「僕は人をえこひいきするんだ」とは木下監督の名語録のひとつ。実際、彼は人の好き嫌いが激しく、好きな者に対してはとことん親切に、嫌いな者にはその真逆に接していた。彼が好むのは、貧富の差を問わず性格が素直で清潔感が漂い、品行方正で気が優しく心配りのできる人間。木下監督はそのような人材を好んで自分のスタッフに起用し、一人前になるまでとことん指導し、面倒をみた(それは師匠だった島津保次郎監督の影響も大きいという)。逆に不潔でバンカラ、下の者をいじめる、偉そうにふるまう、このような者は徹底的に周囲から排除していった。