木下監督は通常画コンテを立てず、現場ではまず大まかな流れや俳優の動きなどをスタッフに伝え、撮影を進めていく中で閃いたアイデアをどんどん即興でつけ加えていく。よって木下組のスタッフは、いついかなる事態にも即座に対応できるよう努めなければならなかった。「馬鹿と愚図は大嫌い!」という木下監督のことばは、このような現場での演出姿勢の中から出たものでもあった。