連載「女ひとり、名画座行ってきます。」
【横浜シネマリンの巻/後編】
カテゴリ:連載「女ひとり、名画座行ってきます。」
前編に引き続き、八幡温子支配人が経営する「横浜シネマリン」さんにお邪魔しております!
もともと昭和30年に「横浜花月劇場」として誕生した横浜シネマリン。その後、約60年にわたって運営母体や劇場名を変えながら興行を続けてきましたが、2014年3月に閉館の危機に!しかしそこへ彗星のごとく現れた救世主こと八幡さんによって同年12月にリニューアルオープンを遂げた、大変ドラマチックな歴史を持つ映画館なのであります。
とはいえ、映画館を引継ぐことは並大抵のことではなかったよう
カビだらけになり、壁がふわ~っと剥がれる
「はじめは居抜きで、設備もこれまでのものをそのまま使おうと思っていたんです。でもオープン準備に取り掛かろうとしていた矢先、館内にカビが生えてしまって(笑)。地下なので湿気がこもりやすい上、空調機も回していなかったことが原因なんですが、工事期間中にも劇場の壁がふわ~っと剥がれてきて…壁紙を留めていた釘が腐ってしまったんですね」(八幡支配人/以降、「」内同氏)
それはショックがデカすぎますね…。
「でも怪我の功名といったらアレですけど、ほぼすべてリニューアルすることになったことで、ロビースペースに念願だったベンチを設置することができました。また、日本中の映画祭の映像・音響設計を手掛けているアテネ・フランセ文化センターの堀三郎さんに音響を担当していただけたので、音の良さはピカイチです。普通、音って高音の方が先に聞こえるそうですが、堀さんは高音と低音が同時に体に届くように設計してくれたんです。そのため同じ映画をかけても、他の映画館では聞こえなかった音が横浜シネマリンだと聞こえたと言われたことも。この臨場感を最大限味わえるのが、ど真ん中の席!ぜひ試してみていただきたいです」
「そういった意味でも、3月11日から上映する『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』はぜひ当館で味わっていただきたいですね。単にデジタル化してキレイにしましたというだけでなく、フィルムの質感を大切にしながらも、キラキラした映像が楽しめますよ。繊細な音にも、ぜひ注目してみてください。あと、個人的にドキュメンタリーが大好きで、去年の選挙期間中には『不思議なクニの憲法』や『わたしの自由について〜SEALDs 2015〜』といった作品を上映してたんです。その時々の社会問題とリンクするような作品を、今後もたくさん上映していきたいと思っています」
八幡さん、興味深すぎるお話をありがとうございました!そしてそろそろお腹がへってきたので、ランチにぴったりのお店も紹介していただきましたよ。
【番外編】横浜シネマリン・八幡支配人のオススメスポット
龍鳳
横浜シネマリンから徒歩2分。伊勢佐木モール沿いにある「龍鳳」さんは八幡支配人も大のお気に入りで、イベント終わりにスタッフの皆さんと食べに行くことも多いんだとか!
ザ・中華料理店といった雰囲気の店内がいいですねえ。そこで早速注文したのが、秋冬限定メニュー「カキチャーハン」であります!
ぐおー。山椒がめちゃくちゃきいてます!ぐおー。ネギとカキのハーモニーがすごいっす。うますぎるっす!
「でしょ。うちの最強メニューだからね。クレイジーケンバンドのメンバーも、近所のライブハウス『FRIDAY』で演るときはいつも食べにきてくれるよ」
こう語ってくれたのは、生粋のハマっ子店主・楊義誠さん。ケンさんがハマるのも当然だと思います!
「土地柄か、粋なお客さんが多いよ」
そんな感じがいたします!楊さんも昔はイケイケだったんですか?
「今は“牙を抜かれた狼”って呼ばれてるよ」
やはりかつてはなかなかだったのですね…しかし本当においしかったです!!平日のランチタイムにカキチャーハンを頼むとデザートもついてくるので、本当にオトクかつオススメであります。
■龍鳳
神奈川県横浜市中区長者町7-112(ドン・キホーテ向かい)
045-261-0308
その後、腹ごなしもかねて散歩がてら、みなとみらいの方をブラブラしました。
横浜第二合同庁舎。威風堂々、かっこゆす!とひとり興奮。
神奈川県立歴史博物館も、キテますな!
みなとみらいも近いもんですね…。「横浜シネマリン」さん、立地的にもお散歩やデートに間違いなくぴったりかと思われます。
そして今年から導入した自撮り棒の成果はというと…。
八幡支配人と撮った1枚のみと相成りました…。いや、忘れていたわけではないんです。ただ本当にこの日寒かったもので、外で自撮りする余裕がないまま終了…。次回こそは使うぞ!
(取材・文/小泉なつみ)