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映画『東京裁判』4Kデジタルリマスター版 令和元年8月3日(土)よりユーロスペース他全国順次公開!

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『人間の條件』『切腹』の巨匠 小林正樹監督が、自らの戦争体験をもとに鎮魂の祈りを込めて綴った4時間37分。4Kデジタルリマスター版で鮮やかに蘇りました。

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(C)講談社2018

2016年、小林正樹監督生誕100年を記念して出版、展示、上映、放送、DVD・BDなど様々な企画が行われました。
そこに関わるそれぞれの会社、担当者たちの中心には小林組の小笠原清さんと梶山弘子さんがいらっしゃいました。
企画準備を進めるなかで、決して諦めず、よいものにするためには妥協を許さないお二人の姿勢に、
小林組の精神を感じて、各社の担当者たちは得難い経験をさせていただきました。

今週末から始まる映画『東京裁判』4Kデジタルリマスター版は、4時間半余りの長編です。
これを修復する労力、時間、費用は膨大なもので、それを考えると、やはり小林組!と思ってしまうのです。

公開を記念して映画『東京裁判』の監督補佐・脚本をご担当され、
今回の修復の監修者である小笠原清さんからコメントをいただきましたので以下に掲載させていただきます。


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《平成世代の方へ》
日本は民主主義の国ですか?日本は平和国家ですか? それは、いつからのことか知っていますか?

《昭和世代の方へ》
「大東亜戦争」と「アジア・太平洋戦争」を知っていますか?日本が敗戦国として裁かれ、その後平和社会の中で自立してきた過去を記憶していますか?

《映画『東京裁判』について》
この作品は、日本が帝国主義軍事国家から民主国家へ180度の大転換を果たした近現代史動乱時代を、「極東国際軍事裁判」通称「東京裁判」を通じて凝縮した、1983年公開のドキュメンタリー映画です。それはまた、第2時世界大戦で敗北した大日本帝国の、戦争責任と犯罪を問う法廷記録をベースとして、その時代の戦争の実態と世界の情勢、及び裁判の背景となる戦後の日本と世界の動向を組み合わせ、当時のナマの社会状況を収録したタイムカプセルでもあります。それから36年後の今、それはデジタルリマスター化による迫真的な画像と音声で甦りました。ここに収めれた圧倒的な事実と課題は、不安定化が進む今日の日本と国際社会にも底辺でつながっています。

《1983年公開当時の観客の感想の一部です》
「戦争体験者として体が震える思いで見ました。娘や孫に伝えたい」(70代女性)、「大東亜戦争と称して開戦した意味も、それが太平洋戦争と言い換えられて敗戦となったことも、新憲法が成立した事情や真意もよく解る映画です」(80代男性)、「自分自身は深く知ろうとせず、型通り学んできた歴史の深い真実を知った」(20代男性)、「事実を知ることが何より大切。戦争を避けるための努力とは何か、大人の責任は重い」(60代男性)、「防衛問題は人それぞれの議論だが、改めて戦争だけは絶対にしてはならぬと決意を固めた」(50代男性)、「世界中に平和が訪れる日まで、この映画にエンドマークがあろうはずはありません」(30代女性)

この作品は公開の度に「今、なぜ東京裁判か」と、問われ続けてきた。
法廷で明るみに出された第2次世界大戦の実態と、責任追求の現実を映像に収めた映画『東京裁判』は、
常に「今こそ見るべき映画」として存在し、回答の任を果たしてきた。

そして今日、劣化の影響が著しかった歴史映像や音声が、
デジタルリマスター版により鮮やかに回復された。
臨場感に満ちた完成品としてこれが公開されることは、製作スタッフ一同の本懐でもある。

小笠原清 (監督補佐・脚本・デジタルリマスター監修)


令和元年8月3日(土)よりユーロスペース他全国順次公開!
ぜひ劇場でお楽しみください。

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http://www.tokyosaiban2019.com/

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