「松竹120周年祭」東劇にて上映中!
フランスのリュミエール兄弟が1895年に複合型映写機「シネマトグラフ」を発表してから、今年で120年。映画にもクラシックというジャンルが広く知れ渡るようになった。
その大きな役割を果たしたのは、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭。カンヌでは2004年に「カンヌ・クラシック」と銘打った独立した部門を作り、以降、生誕や没後の節目を迎えた監督の作品を中心にデジタル修復版やニュープリント版を紹介してきた。これらは「映画遺産」の保存というだけでなく、再評価を果たしてきた。
こうした世界的な流れの中、日本のクラシック作品にも大きな関心が集まっている。2012年のベネチアでは、日本初のカラー長編劇映画「カルメン故郷に帰る」(1951年、木下惠介監督)が、2013年のベルリンでは、「東京物語」(1953年、小津安二郎監督)が、2014年のカンヌでは、「青春残酷物語」(1960年、大島渚監督)が、2015年のカンヌでは「残菊物語」(1939年、溝口健二監督)のデジタル修復版がワールドプレミアされ、話題を呼んだ。
「クラシック」=「古典」と聞くと、サイレントやモノクロ作品などを思い浮かべるかもしれないが、2014年のカンヌのラインナップを見ると、1984年の「パリ、テキサス」(ヴィム・ヴェンダース監督)といった作品もあり、幅広い年代の作品が選ばれていることも分かる。
日本でも、クラシックブームの兆しが見える。多くのクラシックを英語字幕の修復版を紹介してきた東京フィルメックスだけではなく、第28回東京国際映画祭(10月22日〜10月31日)でもクラシック部門を新設されることが発表された。
東劇では「松竹120周年祭」が上映中。松竹の数々の傑作たちを最先端デジタル技術でよみがえらせた【デジタル修復版一挙上映】では、今年のカンヌ・クラッシックで上映された『残菊物語』のジャパンプレミアを始め、海外映画祭で上映された9作品の上映のほか、【『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』シリーズ セレクト上映】では、それぞれ7作品を上映。大きなスクリーンで、美しく蘇ったクラシックを見ることは、新たな「発見」「体験」の機会となる。
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