連載「女ひとり、「釣りバカ」完走してきます【シリーズ19】」
遂に「19」までやってきましたよ!今からちょうど10年前の2008年に放たれた作品だけに、鈴木建設の様子はすっかり現代的……というか、2018年のオフィスと大差なし。しかも描かれるのは正社員と派遣社員の格差問題と、いまだに続く待遇格差がテーマになっていたのであります。
鈴木建設の厚生課で働く波子(常盤貴子)は皆から慕われる面倒見のいい女性社員。そんな彼女に思いを寄せるのが、製薬会社の御曹司にもかかわらず中途入社してきた営業三課の大輔(山本太郎!)。ふたりのロマンスがほんわかと展開するなか、実は波子が正社員ではなく派遣社員であることが発覚、間もなく契約切れになるというのであります。
私自身も会社員の時はずいぶん派遣社員の皆さんにお世話になりました。そして自分含め、正社員より派遣社員の方の方が仕事のできる人が多かった気がします。「できる社員が派遣社員だった問題」もよくある話ではないでしょうか。
そしてハマちゃんは健康診断に引っかかり胃カメラを飲むことになるのですが、怖がりゆえに断固拒否。そんな姿を見たハチは、「釣りの合間に仕事してタダで健康診断まで受けられるなんていいご身分」と嫌味たらたらでしたが、私もこれには激しく同意してしまいました。健康までも管理してもらえる正社員、まじうらやましいっす。
その一方、鈴木建設にもセキュリティの観点からカードキーが導入されたことから、入退室にはカードキーがマストに。「首から下げてるなんて幼稚園児か犬みたい」というハマちゃんのセリフからも滲むとおり、排便に行くのすら管理されるのもまた現代サラリーマンなんですよねえ。
さらに「19」、実はDVDに初の特典ディスクがついているんです。ワォ!パッケージ制作スタッフの“釣りバカ愛”を感じるメニューページとともに堪能していただきたいのがメイキングです。
長寿シリーズのプログラムピクチャー、キャストもスタッフも手練なのでさらーっと作っているのではと素人考えで思っていましたが、めちゃくちゃ丁寧にリハを重ねたうえで「釣りバカ」の笑いが作り上げられていたことがよくわかりました。
また日本全国ロケに訪れていますが、その先々でいかに歓待されていたか、まさに国民的な映画として愛されていたんだなあということがよくわかりました。
ぜひセルDVDも見ていただきたい「19」でありました!!
文 小泉なつみ
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「女ひとり、「釣りバカ」完走してきます」
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「土曜だ!釣りバカ!」放送中!
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