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連載「女ひとり、「釣りバカ」完走してきます【シリーズ7】」

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 友達とけんかしたときの、世界が真っ暗になったような気持ち。心の中がくしゃくしゃでご飯もおいしくないし、今すぐにでも謝って仲直りしたいのに、どうすればいいかわからない。このときばかりはなにもかもから見放されてしまったような気分になるものです。
 そんな若かりし頃に経験した、胃がきゅうっと締め付けられるような苦しさが久しぶりに甦ったシリーズ7本目。そうです、今回のテーマは「友情」であります。

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 ハマちゃんとスーさんが福井県の東尋坊でチヌ釣りの最中に出会った美女、彩子(名取裕子)。後日、たまたま東京で彼女と再会を果たしたスーさんは、釣りデートの約束を取り付けます。しかしタイミングが悪いことに、同じ日にハマちゃんからも釣りのお誘いが。彩子とデートしたいスーさんは思わず、「その日は香港出張」と嘘をついてしまい……。
 きっと釣場で鉢合わせしちゃうんだろうな……と肝を冷やしながら見ているとやっぱりその通りになった結果、ハマちゃんはスーさんに激怒リング。半狂乱状態で自分に嘘をついたスーさんを罵倒するのですが(怒ったときの西田敏行の目は本当に▲でヤバい)、ここまで憤怒するところにハマちゃんのピュアさが現れているなあと思いました。

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 大人になると良くも悪くも他人に期待せず、常にどこか諦念モードになりがちですが、ハマちゃんは違うんですねえ。特に大好きな人に対しては1200%疑う心を持ち合わせていないがゆえに、髪を振り乱してスーさんに怒ったわけです。
 性根のねじ曲がったイエスマンばかりの取り巻きに囲まれたスーさんが、そんなハマちゃんに魅せられるのも無理はありません。スーさんはやっと掴んだ真の友情関係を修復すべく、ハマちゃんに大量のラブレターを送ります。それが“FAX”ってところがミソでして。今だったらLINEの珍しいスタンプ1万連打とかになるのかもしれませんが、それじゃあちょっと味気ないですもんね。

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 そして「7」では戸川純演じる愛されキャラ、木村恵(名前初めて知りました)が寿退社。さらに秘書役で角野卓造が登場するなど、鈴木建設のメンバーにも変化が。また、羽賀研二や中野浩一の友情出演に、94年の風を感じた「7」でありました!


文 小泉なつみ

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釣りバカ日誌7

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