連載「女ひとり、「釣りバカ」完走してきます【シリーズ4本目】」
なぜ歯抜けで「1」と「4」のコラムがアップされているのかといえば、今週4月21日(土)にBSジャパンで「4」が放送されるから! なんです。
「2」「3」はすでに放送済みで間に合いませんが、おっかけで書いていきますのでよろしくお願いいたします!(4月19日現在)
そんなわけで、91年に放たれた「4」であります。
91年といえば、バブルが崩壊し失われた20年がスタートしたという、Wikiだけ見るとなんだかほの暗さ感じる時代。
とはいえ庶民の生活は失われることなくどっこい続いていたわけで、ハマちゃんはその年に大ヒットした小田和正の『ラブ・ストーリーは突然に』を口ずさみ、当時絶好調だった設業を反映してか、工事現場のシーンでは外国人の出稼ぎ労働者が登場していました。
そんな中で、83年に生まれ、失われた20年とTKサウンド共に青春を歩んだ平成っ子である筆者が刺さったのは、ハマちゃんの家にあったフラワーロックと、白をたっぷり含んだ独特のグリーンの冷蔵庫、そして太田八郎の車の中に転がしてあったスチール缶の「午後の紅茶」でした。
こうして覚える必要もなかったので思い出したこともなかったアレコレが眼前に提示されると、あの頃住んでいた家の壁の色や、ママチャリを爆走させていた母ちゃんの背中とか、たしかにあの時代を自分が生きていた記憶が鮮やかに蘇りました。
そういった意味でも「釣りバカ」は時代を映す鏡であり、ノスタルジースイッチ機能を搭載したすんごいシリーズなのだと感じ入った次第です。
そして今回、ややロン毛でワイルドスタイルなハマちゃんとほぼ坊主のスーさんを翻弄するのが、尾美としのり&佐野量子扮する若いカップル。「釣りバカ」には珍しく格闘シーンもあってハラハラさせられらますが、最後は当然、大団円。そうそう、この回でハマちゃん&みち子さんの愛息子・鯉太郎も誕生します。
原稿はまだ歯抜けですが、ふと思えば、どの回から見ても、なんなら本編の途中から見たとしても観客を受け入れ、満足させてくれるのが「釣りバカ」の偉大なところ。
誰も不幸にならず、悪人もおらず、懐の大きな気持ちのいいシリーズとともに成長できた自分は、なにも失ってなどいないと思えた「4」なのでした。
文 小泉なつみ
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「女ひとり、映画館に行ってきます」
BSジャパンにて毎週土曜日夕方6時30分より「土曜だ!釣りバカ!」放送中!
▼詳細
http://www.bs-j.co.jp/cinema/
見逃した方はこちらからもどうぞ
「釣りバカ日誌」公式サイト
▼「釣りバカ日誌4」作品情報
https://www.tsuribaka-movie.jp/movie/4/