男はつらいよ

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  3. 第48作 男はつらいよ 寅次郎紅の花
男はつらいよ 寅次郎紅の花
スタッフ
  • 監督 : 山田洋次
  • 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
  • 原作 : 山田洋次
  • 撮影 : 高羽哲夫 長沼六男
  • 音楽 : 山本直純 山本純ノ介
  • 美術 : 出川三男

第48作 (平成7年12月 公開)
男はつらいよ 寅次郎紅の花

阪神淡路大震災の直前、神戸から連絡があって以来、寅さんは音信不通。さくらや、おいちゃん、おばちゃん達は心配していた。一方満男は、久しぶりに訪ねて来た泉(後藤久美子)から、結婚の報告を受けてショックを隠せない。ヤケをおこして、岡山県津山市での泉の結婚式をメチャクチャにしてしまう。失意の満男は、奄美大島の加計呂麻島で出会った女性の親切で、彼女の家の世話になることに。その女性はリリー(浅丘ルリ子)で、なんと寅さんはそこで同棲していた…
 26年間に48作続いて来た『男はつらいよ』シリーズ最終作となった『寅次郎紅の花』は、第25作『寅次郎ハイビスカスの花』以来、四度目の登場となる浅丘ルリ子演じるリリーが登場。しかも寅さんは奄美大島でリリーと同棲。かつてさくらが夢見た寅さんとリリーの結婚は、現実のものとなるのか? そして五回目となる後藤久美子演じる泉と満男の関係は? シリーズ大団円に相応しく、二つの恋の行方が、幸福な気分のなかで描かれてゆく。阪神淡路大震災の被災地に立つ寅さんの「皆様、本当にご苦労様でした」という言葉は、俳優・渥美清の最期の台詞となった。

リリー

リリー

かっこなんて
悪くたっていいから、
男の気持ちを
ちゃんと伝えて
欲しいんだよ女は・・・

及川泉

及川泉

言って
訳を言って

マドンナ

リリー

リリー(浅丘ルリ子)

リリーは放浪の歌手生活をやめ、金持ちの老人と再婚、ところが亭主がそうそうに亡くなり、今はその遺産で、鹿児島県奄美大島の加計呂麻島に小さな家を購入。快適に暮らしていた。そこへ、寅さんが転がり込み、同居生活をしているが・・・

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リリー 第11・15・25・48・49作 浅丘ルリ子

日活映画『緑はるかに』(55年)でデビュー、芸名はその時の役名で、画家の中原淳一が命名。日活では小林旭、石原裕次郎映画のヒロインをつとめ、同時に蔵原惟繕監督の『夜明けのうた』『愛の乾き』などの女性映画に主演。『男はつらいよ』のリリー役は、11作『寅次郎忘れな草』、15作『寅次郎相合い傘』、25作『寅次郎ハイビスカスの花』、48作『寅次郎紅の花』で、四回演じている。

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及川泉

及川泉(後藤久美子)

母親のためもあって、泉は岡山県津山市の医者の息子と結婚することに。かつて心を寄せていた諏訪満男に、そのことを告げに行くが、満男の態度は煮え切らない。そして結婚式の当日、満男が津山に現れて・・・

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及川泉 第42・43・44・45・48作 後藤久美子

小学五年生からモデルとして活躍、1986年「テレビの国のアリス」(NHK)でデビュー、キャッチフレーズは「国民的美少女」。第42作『ぼくの伯父さん』(89年)、第43作『寅次郎の休日』(90年)、第44作『寅次郎の告白』(91年)、第45作『寅次郎の青春』(92年)、第48作『寅次郎紅の花』(95年)で、五作及川泉を演じた。

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ゲスト

及川礼子

及川礼子(夏木マリ)

あの子は、泉の幸せをめちゃくちゃにしたんですよ、いったい何の権利があって・・・

泉の母。母一人娘一人で、水商売をしながら苦労して来たが、ようやく泉が結婚、しかも玉の輿ということで、一安心。ところが、結婚式の当日に、思わぬハプニングが発生して・・・

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及川礼子 第42・44・45・48作 夏木マリ

1973年、「絹の靴下」が大ヒット、歌手、女優として、ステージや映画、テレビドラマで活躍。シリーズでは、第42作『ぼくの伯父さん』(89年)、第43作『寅次郎の休日』(90年)、第44作『寅次郎の告白』(91年)、第45作『寅次郎の青春』(92年)、第48作『寅次郎紅の花』(95年)で、泉の母・礼子を演じている。

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船長

船長(田中邦衛)

あんなおにせか気になってや、まさか自殺ったちするおもりんば・・・

加計呂麻島の連絡船の船長。傷心は、船長の海上タクシー「でいご丸」で加計呂麻島へとやってくる。リリーさんとは顔なじみで、寅さんとの仲など、島のことは何でも知っている。

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船長 第7・48作 田中邦衛

俳優座7期生。故郷・岐阜では中学の代用教員の経験もある。井川比佐志とは俳優座の同期。東宝映画「若大将」シリーズでは青大将を好演し、フジテレビの「若者たち」(65年)、映画『仁義なき戦い』シリーズなど、幅広い役柄で日本を代表する俳優に。フジテレビ「北の国から」は自身の代表作となった。シリーズ第48作『寅次郎紅の花』(95年)、『学校』(93年)、『学校Ⅲ』(98年)などの山田洋次作品での名演も忘れがたい。

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男はつらいよ 寅次郎紅の花

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

リリー「ねえ、寅さん、どこまで
送っていただけるんですか?」
寅「男が女を送るって場合にはな
その女の玄関まで送るってことよ」

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    言ってみれば初恋の人でしょう? その人の事がどうしても忘れられないのよ。そう言う不器用な子なのよ、満男は・・・
  • 車竜造
    車竜造
    こいつがな、もう一回新聞広告出そうかって言うから、オレはよせって言ったんだよ、大体、新聞なんか読みゃしないよ寅・・・
  • 車つね
    車つね
    だって奄美大島では、一つ屋根の下で、暮らしてたんだろう? という事は二人はさ・・・
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    おーい、仕事になんねえぞお、せめて月給分ぐらい働けよ!
  • 諏訪博
    諏訪博
    ボランティアって言葉が当てはまるかどうか知らないけど、なんて言うのかな、つまり、兄さんみたいな既成の秩序、もしくは価値観とは関係のない、言ってみれば、めちゃくちゃな人がだよ、ああ言う非常事態には意外な力を発揮する。まあ、そう言う事になるのかな?
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    どうも、すいませんでした。あの、僕自殺しそうに見えましたか?
夢

本作品にはなし

騒動

騒動

寅さん行方不明騒動

寅さんから最後に連絡が入ったのは1995年1月、阪神淡路大震災直前の神戸から。半年も音沙汰がなく、一家は心配して新聞の三行広告に寅さんへのメッセージを掲載するが…

あにいもうと

あに
いもうと

半年前、神戸から電話があった後に、あの大震災が発生。しばらく音沙汰のない寅さんのことをさくらは心配している。テレビのドキュメンタリーに寅さんが映っていて、一安心。奄美大島でリリーと同棲している聞き、さくらの長年の夢が実現したと、心の底から喜ぶ。

人々

人々

  • 因美線 美作滝尾駅の委託駅員/桜井センリ
  • 神戸のパン屋 石倉夫婦/宮川大助・花子
  • 満男の会社・光陽商事の女子事務員
  • 新郎/前田淳、新郎の兄/笹野高史
  • 海上タクシー「でいご丸」船長/田中邦衛
  • マサオ/神戸浩
  • リリーの母親/千石規子
  • OK無線タクシー運転手/犬塚弘
  • 神戸市 長田区 菅原市場 町内会長/芦屋雁之助)
  • 町内の青年/パンチ佐藤

寅さんの
啖呵売

啖呵売

売ネタ

  • 消火器(岡山県 津山市 津山祭り)

  • ポンシュウ「小原節」
  • 寅さん・リリー「島育ち」
  • <挿入歌> 徳永英明「君と僕の声で」
  • <挿入歌> 元ちとせ「島唄」
  • <挿入歌> 坪山豊・皆吉佐代子「島唄 サヨコ」
  • <挿入歌> 坪山豊・皆吉佐代子「島唄 ムチャ加那節」

ロケーション

  • 岡山県 津山市 堀坂 JR因美線 美作滝尾駅
  • 勝山出雲街道 町並み保存地区 造り酒屋 辻本店/寅さんとポンシュウが試飲して酔っぱらってしまう
  • 岡山県 津山市/津山祭りで消化器のバイをする寅さんとポンシュウ
  • 鹿児島県 桜島と錦江湾が見える観光船乗り場前の食堂 中川家/寅さんが柴又へ電話する
  • 岡山県 津山市 津山国際ホテル/泉が結婚衣裳を着ている
  • 岡山県 津山市 瓜生原 新郎の実家/家族が記念撮影
  • 岡山県 津山市 武家屋敷町/新婦の車が通る
  • 鹿児島県 奄美大島 古仁屋港/リリーと満男を乗せた「でいご丸」出航
  • 鹿児島県 大島郡 瀬戸内町 加計呂麻島 諸鈍の浜/リリーの家に寅さんが住んでいる
  • 奄美空港/泉を乗せた飛行機が到着
  • 東京都 八王子市 老人介護施設/母親(千石規子)にリリーが会いに行く
  • 兵庫県 神戸市 長田区 菅原市場/被災地見舞いに寅さんがやってくる
神戸

兵庫県 神戸

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兵庫県 神戸

神戸 基本情報

神戸(こうべ)は、兵庫県南東部に位置する都市。また、その市街地を中心とする地域。付近一帯が生田神社の神戸だったことに由来する。当地においては、平安時代前期の「神戸郷」から、「神戸村」(江戸時代)、「神戸区」(1879年)、「神戸市」(1889年)と、神戸の地名が継承されている。

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第48作
兵庫県 神戸

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津山

岡山県 津山

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岡山県 津山

津山 基本情報

県北の美作地方および津山都市圏の中心都市であり、同時に人口面と経済面における県北最大の都市である。津山藩の城下町から発達した都市で、市街地は旧苫田郡に含まれる。市全体では、苫田郡・久米郡・勝田郡の3郡に跨る。

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第48作
岡山県 津山

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奄美大島

鹿児島県 奄美大島

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鹿児島県 奄美大島

奄美大島 基本情報

面積712.52 km2であり、本州など4島を除くと佐渡島に次ぎ面積5位(日本国が実効支配している島のなかでは3位)の島である(大きな方から順番に、択捉島-国後島-沖縄本島-佐渡島-奄美大島)。年間の日照時間が日本一短い。大島海峡沿岸や湯湾岳などは奄美群島国定公園の一部となっている。

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第48作
鹿児島県 奄美大島

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加計呂麻島

鹿児島県 加計呂麻島

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鹿児島県 加計呂麻島

加計呂麻島 基本情報

面積77.39km2で、大島海峡を挟んで奄美大島南岸と向かい合っている。また、地形は細長く、海岸線が複雑に入り組んでいるため、海岸線長は147.5kmと長くなっている。
島内には小さな集落が30ヶ所程存在し、2006年7月現在の世帯数は934世帯、人口は1,601人。

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第48作
鹿児島県 加計呂麻島

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あの頃

食べ物

カレー

飲まず食わずで奄美大島までやってきた満男に、リリーが御馳走するのはカレーライス。第25作『寅次郎ハイビスカスの花』でも、リリーは国頭高志(江藤潤)にカレーを御馳走する。カレーライスは、明治時代に伝来した英国料理を原型とし、日本で独自に進化した“洋食”として、ポピュラーになった。

モノ

トランク

寅さんが第一作以来、ずっと持っているのがトランク。本作のクライマックス、寅さんがくるまやの二階に置き忘れたカバンを、三平ちゃんが届けるサスペンスがある。トランクがある場所が、寅さんの居場所ということでもある。その中身は、寅さんにとっての生活必需品がぎっしり。革製の大型トランクは、明治から、大正、昭和初期にかけて、重用されたデザインのもの。このトランク一つで、寅さんは二十六年以上も旅を続けていたことになる。

ファッション

帽子

寅さんのトレードマークの帽子。第一作以来、車寅次郎の頭にはいつもこの帽子が乗っていた。フエルト製の帽子は、毎回特注で職人が制作していたという。第21作『寅次郎わが道をゆく』の冒頭の夢のシーンでは、この帽子型のUFOが登場。世界中のヒーロー同様、われらが寅さんの帽子は、そのシルエットだけでも、誰のものかわかる、象徴的なアイテムでもあるのだ。

主な出来事

11月1日
新食糧法が施行され、米の販売が原則自由化。
11月20日
ビートルズ25年ぶり新曲"Free As A Bird"発表。
12月8日
高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏洩事故が発生。

データ

封切り日
平成7年12月23日
観客動員数
1,700,000人
入場料
1,800円
上映時間
107分
受賞歴
第9回日刊スポーツ映画大賞・主演女優賞/浅丘ルリ子(1996年)
全スタッフに対し、全国興行環境衛生同業組合より特別感謝状(同)
併映作品
『サラリーマン専科』
監督:朝原雄三 出演:三宅裕司、田中好子、田中邦衛、裕木奈江、加勢大周
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫 長沼六男
音楽 : 山本直純 山本純ノ介
美術 : 出川三男

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