男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎の休日
スタッフ

第43作 (平成2年12月 公開)
男はつらいよ 寅次郎の休日

満男は無事に大学へ進学を果たす。ある日、及川泉(後藤久美子)が離婚した父・一男(寺尾聰)を訪ねて名古屋から上京。満男はともに、一男の勤め先である秋葉原の大型電気店を訪ねるが、すでに仕事を辞めて、大分県日田市に住んでいるという。東京駅で泉を見送った満男は、泉が九州に行くと聞いて、思わず新幹線に飛び乗る。若い二人を追いかけて、寅さんと泉の母・礼子(夏木マリ)も寝台車で九州へ…
 第42作『ぼくの伯父さん』から一年後、泉の父親の再婚を中心に“家族の幸せ”について描いている。若い二人がかけおち同然に、九州へと向かう。寅さんは、美人の母・礼子と寝台車に乗る。大人の色香を漂わせた礼子と、寅さんの二人旅。二組のカップルが大分県で再会、温泉宿で一夜を家族のようにむつまじく過ごす。さくらと博の夫婦は、息子・満男のことで悩み、満男もまた大きな悩みを抱えている。現代の家族が抱える問題が、さくら夫婦を通じて描かれる。

及川泉

及川泉

やっぱり、
お父さんに会いたいの、
帰ってきてって、
ムダでもいいから
頼みたいの

及川礼子

及川礼子

ねぇ、私みたいな女房じゃ、亭主が逃げ出すのも無理はないと思ってるんでしょう、寅さん

マドンナ

及川泉

及川泉(後藤久美子)

名古屋で水商売をしている母と二人暮らし。別れた父・一男(寺尾聡)に会うために上京。満男の家に泊まっている。しかし父は、愛人の故郷の大分県に引っ越したことを知り・・・

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及川泉 第42・43・44・45・48作 後藤久美子

小学五年生からモデルとして活躍、1986年「テレビの国のアリス」(NHK)でデビュー、キャッチフレーズは「国民的美少女」。第42作『ぼくの伯父さん』(89年)、第43作『寅次郎の休日』(90年)、第44作『寅次郎の告白』(91年)、第45作『寅次郎の青春』(92年)、第48作『寅次郎紅の花』(95年)で、五作及川泉を演じた。

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及川礼子

及川礼子(夏木マリ)

泉の母、父を訪ねて上京した泉が世話になったくるまやへ挨拶に来る。そこで泉と満男が九州に向かったと聞き、寅さんと共に、二人を追いかける。美しい礼子と寅さんが、ブルートレインに乗るが…。

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及川礼子 第43作 夏木マリ

1973年、「絹の靴下」が大ヒット、歌手、女優として、ステージや映画、テレビドラマで活躍。シリーズでは、第42作『ぼくの伯父さん』(89年)、第43作『寅次郎の休日』(90年)、第44作『寅次郎の告白』(91年)、第45作『寅次郎の青春』(92年)、第48作『寅次郎紅の花』(95年)で、泉の母・礼子を演じている。

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ゲスト

及川一男

及川一男(寺尾聰)

幸っちゃん、この娘、泉だよ

泉の父、礼子と離婚、秋葉原の大型電気店を辞め、大分県日田市の幸枝(宮崎美子)の実家で暮らしている。

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及川一男 第43作 寺尾聰

1964年、カレッジ・フォーク・グループ、ザ・サベージを結成、66年「いつまでもいつまでも」が大ヒット。俳優としては、『黒部の太陽』(68年)で映画デビューを果たし、「大都会〜闘いの日々〜」(NTV)、「大都会PARTⅢ」(NTV)、「西部警察」(ANB)などのアクション・ドラマで活躍。1981年、「ルビーの指輪」で日本レコード大賞を受賞。父は宇野重吉。山田洋次作品では『同胞』(75年)、シリーズ第17作『寅次郎夕焼け小焼け』(76年)などに出演。

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幸枝

幸枝(宮崎美子)

泉さんのことは、いつも一男さんから聞いております

一男とは、博多で知り合う。実家の大分県日田市の“ふたば薬局”を切り盛りしている。

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幸枝 第43作 宮崎美子

熊本大学在学中に、週刊朝日の表紙モデルとなり、続いてカメラのTVCMに出演、一躍注目を集める。TBSドラマ「元気です!」(80〜81年)、TBS「2年B組仙八先生」(81年)などに出演、黒澤明監督の『乱』(85年)に抜擢され、映画、テレビ、舞台で活躍する。

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男はつらいよ 寅次郎の休日

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

それじゃ何か?
真面目な男っていうのは
女に惚れないのか?
じゃ、俺なんか総合的に見たら
真面目じゃないって訳か?

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    忘れっぽい人だけど、女の人の事だけは、絶対覚えているから・・・
  • 車竜造
    車竜造
    寅、見てみろよお前、数えで15だぞ、あいつが独り立ちしたのは
  • 車つね
    車つね
    何が独り立ちなもんか、家を追ん出されただけじゃないか。親戚中ホッとしたもんだよ、あの男が出て行った時にゃ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    満男君は秀才だから、寅さんとは別の道歩むのかと思っていたら、結局同じ事やってるんだ、おかしくて・・・寅さん見たら、何て言うんだろうね・・・あ、帰って来た!
  • 諏訪博
    諏訪博
    満男、今のいい方、許さんぞ! 父さんには何て言ったってかまわんけどな、お前のこと、こんなに愛している母さんに向かって、何て事言うんだ、謝れ!
  • 諏訪満男
    諏訪満男
    やっぱり、父さんは母さんを愛してるんだなって、感心したんだよ
夢

ときは平安。車小路寅麿は、世の儚さを和歌に詠んでいた。そこへ迷ってきた、美しい女人。聞けば、幼き日に別れた兄を捜しているとのこと。「我のこの面差しに見覚えありやなしや?」風雅に再会を喜ぶ二人…

騒動

騒動

満男・泉かけおち騒動

父に、母との復縁をせまるために、泉は自宅に戻らずに、父の住む大分県へ向かおうとする。その同行を決めた満男は、博多行きの新幹線に。さくらたちを心配させる。

あにいもうと

あに
いもうと

無事、大学に進学して、ホッとしたのも束の間、満男が一人暮らしをしたいと言いだす。さらに、及川泉と九州へ向かったときき、母親としては心穏やかではない。そこへ寅さんが帰って来て、相談するのだが・・・

人々

人々

  • 寅さんが日田で出会った釣り人/人見明
  • 茶屋の夫婦/児島三児、田中世津子
  • 秋葉原の大型家電店の内藤/笹野高史
  • 泉の父、及川一男/寺尾聡
  • 幸枝/宮崎美子

寅さんの
啖呵売

啖呵売

寅「アメリカは、ロスアンゼルスの有名なレコード会社が、このたびのドル安で倒産、借金代わりに投げ出した、このレコード」 ポンシュウ「はい、世界一流の歌い手ばっかりだよ」 寅「はい、お正月、お祝儀がわり、お年玉として、はい、浅野内匠頭じゃないけど、腹かっ切ったつもりで、売っちゃおう。どう、ひと声!」 (大分県日田市玖珠町亀都起神社・CD)

売ネタ

  • CD(ポンシュウと、大分県日田市玖珠町・亀都起神社)

  • 満男「踊るポンポコリン」
  • 大分民謡「マテ突き唄」
  • <挿入歌> 徳永英明「JUSTICE」

ロケーション

  • 大分県 日田市/寅さん、小鹿田焼の窯元の縁側で夢から醒める
  • 大分県 日田市/馬溪橋を寅さんが渡る
  • 大分県 日田市 日田祭り
  • 大分県 日田市 三隈川沿いの製剤所/泉と満男が訪ねる
  • 大分県 日田市 ふたば薬局/父を訪ねる、泉と満男
  • 大分県 日田市 三隈川河畔 ボート乗り場/泉と満男、礼子と寅さんと再会
  • 大分県 日田市 玖珠町 亀都起神社/寅さん、ポンシュウとCDのバイをする
日田

大分県 日田

日本地図
大分県 日田

日田 基本情報

日田市(ひたし)は、大分県北西部に位置する市である。大分県に位置するが、筑後川水系にあるため歴史的に福岡県筑後・筑前地方とのつながりが強く、この地域の方言である日田弁は肥筑方言の特徴を持つ。

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第43作
大分県 日田

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あの頃

食べ物

サラダ

泉ちゃんお手製のサラダを、おいしいと味わう満男。子供の頃からピーマンは苦手だった筈なのに、それも平気のよう。おばちゃんの得意料理は芋の煮っころがしだが、さくらは昔からサラダを朝食に作っていた。満男にとってはおふくろの味でもある。元来、野菜を生で食べる習慣がなかった日本に、生野菜の概念が出て来たのは、明治時代になって、洋食が普及してからのこと

モノ

博多行の乗車券

名古屋へ帰る筈の泉が、東京駅のホームで満男に見せたのは、博多行きの新幹線の乗車券。東海道・山陽新幹線の東京〜博多間が開業したのは、1975年のこと。二人が乗るのは、1985年に製造開始された新幹線100系電車で、東海道・山陽新幹線では二代目にあたる。寅さんは、あまりのスピードに「眼が回るから」という理由で乗車しない新幹線だが、遠距離恋愛の満男と泉にとっては、二人を結ぶ路線でもある。今回、新幹線の場面に流れるのは、徳永英明の「JUSTICE」

ファッション

アーガイルのセーター

泉が九州に行くときに着ているのは、大きめの柄のアーガイルのセーター。アーガイルとは、アーガイルチェックのことで、菱形が格子状に並んだもの。ダイヤモンド柄をモチーフにしたもので、セーターや靴下のアクセントとして、トラディショナルの定番模様でもある。

主な出来事

11月12日
天皇、即位の礼。
11月30日
台風28号が和歌山県白浜町に史上、最も遅い時期の上陸。
12月12日
秋山豊寛TBS記者、ソ連のソユーズ宇宙船で日本人初の宇宙飛行士となる。
12月29日
第2次海部改造内閣発足

データ

封切り日
平成2年12月22日
観客動員数
2,083,000人
入場料
1,500円
上映時間
105分
受賞歴
第14回日本アカデミー賞・優秀助演男優賞/吉岡秀隆(1991年)
同・優秀助演女優賞/後藤久美子(同)
第33回ブルーリボン賞・邦画BEST10第2位(1990年)
第1回文化庁優秀映画作品賞・長編映画部門(同)
併映作品
『釣りバカ日誌3』
監督:栗山富夫 出演:西田敏行、石田えり、三國連太郎、谷啓、五月みどり、戸川純
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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第43作 男はつらいよ 寅次郎の休日