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【夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版】初日舞台挨拶レポート

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7月7日(現地時間)カンヌ国際映画祭クラシック部門でワールドプレミア上映を無事に終え、ついに7月10日(土)にユーロスペースでの特集上映 「篠田正浩監督生誕90年祭 『夜叉ヶ池』への道 モダニズム ポップアート そしてニッポン」 が始まりました。
この時を待ちわびていた方々の思いが反映されたような暑さの中行われた、主演の坂東玉三郎さん、篠田正浩監督による初日舞台挨拶のレポートをお届けします!

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・40年ぶりの再会からのスタート

昨夏、篠田監督と玉三郎さんの再会から今回の『夜叉ヶ池』のプロジェクトは始まりました。

篠田監督は「玉三郎さんに会いたくて声をかけたら、彼も会いましょうということで。『夜叉ヶ池』はどうしてももう一度見せなきゃいけない映画じゃないかと、40年間密かに思っていました。この作品は坂東玉三郎という才能と情熱がなければつくれなかった。百合と白雪姫の二役を演じられるのは、私は坂東玉三郎しかいないと思いました。」と言い、「玉三郎くん、ありがとう。」と玉三郎さんに感謝を伝えました。

玉三郎さんは「撮影中、監督も私もまだ若かった。40年経ったとも思いません。撮影中の日々をほとんど覚えているくらい、印象深いものなんです。」と当時を振り返りました。
自身が演じた二役については「百合と白雪姫がいて一つの魂、学円と晃がいて一つの魂、みたいな形になると思うんですね。そういう意味で二役をや らせてもらいました。」と続けます。

 

・4Kデジタルリマスター化の監修
今回の4Kデジタルリマスター化について、玉三郎さんは「監督ともお話し、明るいところは明るく、日照りのところは日照りのように、夜のところは暗くということができました。こういう形で皆さまに改めて観ていただけることはこの上ない、本当の意味での喜びです。本当に感謝しかない。」と語りました。

 

『夜叉ヶ池』撮影当時の思い出
篠田監督は「玉三郎さんが『池のほとりに柳があるでしょ。あの柳全然動いていませんよ。風がいりますよ。』と言われました。大舞台を踏んで装置の一つ一つを、自分の目線でいつもつくってきた玉三郎くんだからこその素晴らしい感性。『夜叉ヶ池 』は玉三郎なくしてはできなかったということを現場でも思い知らされました。」と思い出を語り、玉三郎さんも笑顔でこたえました。

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・『夜叉ヶ池』への思い
篠田監督は「自分が映画監督として生まれ育った場所は、松竹大船以外のなにものでもない。本作は、あまり松竹の伝統ではない特撮と女形の映画。いろいろな才能が集まってこの映画をつくりました。これは映画界の越境者たちのユートピア映画だと思っています。この技術は、これからは永久保存のために活用していただきたい。」と述べると、
玉三郎さんも「映画というものでこそ、時を越えて観ることができるという喜びを感じております。至らぬ29 歳の作品ではございますが、楽しんでいただければ。」とお客様に呼び掛けました。

篠田監督は特集上映について「『夜叉ヶ池』をつくるまでの間に、つくった映画です。私の青春でもあるし、最も振り乱して映画のなかに生きていた時の作品。もうあんな勢いをやれと言われても無理です。」と言うと、会場もどっと盛り上がりました。

『夜叉ヶ池』への道_チラシ
ユーロスペースでは7月30日まで「篠田正浩監督生誕90年祭 『夜叉ヶ池』への道 モダニズム ポップアート そしてニッポン」 を開催!

今後もトークイベントが予定されておりますので、ぜひお越しください。
劇場では7月14日発売のブルーレイの先行発売も行われております。
ユーロスペースでのご購入限定で 【海外向けポスタービジュアル特製ポストカード】 もプレゼント!

詳細はこちらから
https://www.cinemaclassics.jp/yashagaike/

劇場でお待ちしております!