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第71回カンヌ国際映画祭 クラシック部門
小津安二郎監督作品『東京物語』 4Kデジタル修復版ワールドプレミア上映レポート

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この度、第71回カンヌ国際映画祭(5月8日~19日)クラシック部門にて小津安二郎監督作品『東京物語』(1953 年、英題:Tokyo Story)が現地時間5月10日13時よりワールドプレミア上映されました。(会場:Salle Bunuel) 上映前に、高橋敏弘(松竹株式会社 映像本部副部長 取締役)が登壇し、300人のお客様を前に舞台挨拶をいたしました。現地での「東京物語」の知名度は絶大で大変多くのお客様が会場にお越しくださいました。

 本日は、現地からのレポートをお送りいたします!

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■松竹株式会社 映像本部副部長 取締役 高橋敏弘

本日は、小津安二郎監督の1953年公開「東京物語」4Kデジタル修復版のワールドプレミア上映にお越しくださり、ありがとうございます。カンヌクラシックスに松竹作品を選んで頂き、大変光栄です。 今回の修復は、国際交流基金の協力のもと、松竹が行いました。修復の元素材は、1960年に制作した、35mmのデュープネガです。制作は、松竹映像センター、技術協力はイマジカ(株)と松竹映像センターの協同で行われました。
総合監修に6本の小津作品をプロデュースした山内静夫(やまのうち しずお)さん、画調監修は本作で撮影助手をつとめ、その後、大島渚(おおしま なぎさ)監督作品のキャメラマンとなった、川又昴(かわまた たかし)さんと山田洋次監督作品のキャメラン、近森眞史(ちかもり まさし)さん、音響監修は3本の小津作品で助監督をつとめた、田中康義(たなか こうぎ)さんにお願いしました。 2020年に、歌舞伎で創業した松竹が映画に取り組んで100周年を迎えますが、「東京物語」は、松竹映画を文字通り代表する作品です。小津安二郎監督54作品のうち、残念ながら現存するのは37本といわれ、「東京物語」は46作目です。サイレント映画で腕を磨いた、当時、4、50代の小津監督、厚田キャメラマンをはじめとするメインスタッフと、戦後大船撮影所に入った若いスタッフが情熱を注いだ、松竹モノクロ映画の頂点と言ってよいでしょう。 松竹を代表して、日本映画にも造詣の深いディレクターThierry FREMAUX(ティエリー・フレモー)さん、クラシックス担当のGerald Duchaussoy(ジェラルド・デュシュソワー)さん、に感謝いたします。そして最後に本日この上映にお越しいただいた皆様、大変ありがとうございます。

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カンヌ国際映画祭クラシック部門担当のGerald Duchaussoy(ジェラルド・デュシュソワー)さんからも、 カンヌ国際映画祭クラシック部門では毎年、世界各国の修復作品が上映されてますが、日本と特別な関係を築いています。特に松竹とは長いパートナシップ、特別な関係を築いています。今回は「東京物語」という素晴らしい作品を上映し、この素晴らしい作品を映画ファンに再発見してもらいたいです。というご紹介とともに上映が始まりました。

カンヌクラシックスについて

カンヌ国際映画祭の一部門で、映画についてのドキュメンタリ-映画や、世界的なクラシック映画の修復版を上映。本年のカンヌ国際映画祭クラシック部門(Cannes Classics)に選出された作品は、70mmフィルム修復の「2001年宇宙の旅」(1968年、スタンリー・キューブリック)、生誕100年となるイングマール・ベルイマン監督の「第七の封印」(1957年)を含む、「自転車泥棒」(1948年、ビットリオ・デ・シーカ)、「めまい」(1958年、アルフレッド・ヒッチコック)、「アパートの鍵貸します」(1960年、ビリー・ワイルダー)、「東京物語」(1953年、小津安二郎)など合計28本です。

松竹がデジタル修復した小津作品ワールドプレミア上映

小津安二郎監督作品のデジタル修復版は、2013年のベルリン国際映画祭の『東京物語』(2K)から 今回の『東京物語』(4K)の出品で世界三大映画祭クラシック部門へ8回目の選出となります。

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『東京物語』のデジタル修復について

今回の修復では、2011年の修復時には使用できなかった、1960年作成の音付き35mmデュープネガを、スキャナーの性能の向上により素材として使用することができました。4Kでスキャン、修復し、4K上映素材を制作しました。(4K解像度(4096×3112)スキャン、4Kデジタル修復、4KDCP) 総合監修を6本の小津作品をプロデュースした山内静夫さんに、画像修復は川又昻キャメラマン(本作では撮影助手をご担当されました)と近森眞史キャメラマンに監修いただきました。 音声修復は、35mmデュープネガから96kHz24bitでデジタイズし、電源、キャメラ、光学編集、ネガのキズや劣化等、様々な要因によるノイズ、レベルオーバーによる歪みを、原因に立ち返って類推し、激減することができました。音響の監修は、田中康義さん(3本の小津作品で助監督をご担当されました)に監修いただき、技術監修は清水和法さんにお願いしました。 デジタル修復は、小津安二郎監督の製作意図を尊重して修復する事を主眼に作業しております。

「東京物語」2017年4Kデジタル修復版/製作 松竹株式会社/総合監修  山内静夫/画調監修  川又昂(漢字要変更)  近森眞史/音響監修 田中康義/音響技術監修  清水和法/制作  株式会社松竹映像センター/技術協力  株式会社IMAGICA  株式会社松竹映像センター /  特別協力  国際交流基金

■小津安二郎監督作品『東京物語』(英題:Tokyo Story)について

『東京物語』小津安二郎 尾道に住む老夫婦、周吉(笠)ととみ(東山)が東京で暮らす子供達を訪れるために上京する。子供達は久しぶりの再会で2人を歓迎するが、それぞれ家庭の都合もあり、構ってばかりはいられない。結局、戦死した次男の嫁、紀子(原)が2人の世話をすることになる。老夫婦は子供達がすっかり変わってしまったことに気づくのであった。

1953 年 11 月 3 日公開作品
モノクロ/スタンダード/135 分

■監督:小津安二郎、脚本:野田高梧 小津安二郎、
 撮影:厚田雄春、美術:濱田辰雄、 音楽:斉藤高順
■出演:笠智衆、東山千榮子、原節子、杉村春子、山村聰
三宅邦子、香川京子、東野英治郎、中村伸郎
大坂志郎、十朱久雄

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特集上映「小津4K 巨匠が見つめた7つの家族」

生誕115年記念企画 「小津4K 巨匠が見つめた7つの家族」開催決定!
今回カンヌに出展された『東京物語』をはじめ、全7作品が 4Kデジタル修復版として一挙上映!

日程:
◆新宿ピカデリー:6/18(月)〜6/22(金)
◆角川シネマ新宿:6/23(土)〜7/7(土)

公式サイトはこちら http://cinemakadokawa.jp/ozu4k-115/