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連載「女ひとり、「釣りバカ」完走してきます【シリーズ2本目】」

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 昭和から平成に時代が移った1989年。『釣りバカ』はシリーズとして発動し、第2弾が放たれました。
「2」は約30年前に作られたものになるわけですが、不思議と“今”を感じる要素がありまして。でもその前に、まずは劇的に変わったスーさんチェックをば。

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 本作でスーさんの眉毛は「1」から大幅にボリュームダウンし、髪型は『ボディガード』時代のケビン・コスナーを彷彿とさせるスポーツ刈りになっていました。
 服装にも変化が見られ、オープニングの釣りスタイルではカモフラ柄のハットにベージュトーンで統一したアウターと、ストリート感満載。オフィスでも蝶ネクタイを多用していて、続編ならではの“こなれ感”が出ていたのでした。

 そうそう、「1」のラストで香川県に戻ったハマちゃんが、何事もなかったかのように東京本社の営業三課で働いています。浜崎家も前作とはまったく違う場所にあり、さらにスーさんの家や鈴木建設も「1」とはまったく異なる建物になっていました。
 これは、当初続編の予定がなく「1」だけで完結する予定だったために、ストーリーや設定が繋がらなくなってしまったんだそう。逆に言えば「2」から見はじめても問題ないということで、こういうおおらかさがいいじゃないですか!

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 そんな「2」最大の特徴は、なんといっても原田美枝子さん演じるマドンナ・弥生とスーさんの、ちょっと艶っぽい恋物語。
 その中でかなりドッキリしたのが、弥生の上司である建設会社の社長が、スーさんに彼女を紹介する際に吐いたこんな台詞です。


「口説いても無駄だぞ。俺も何度も口説いたけど、処女のように拒むんだ。それでさ、子供がいるんだよ。どうやって子どもの作り方なんて覚えたのかね」


 
 今なら間違いなく「#metoo」10000発&即処刑な発言ですが、常に社会の風潮を的確に反映してきた『釣りバカ』ゆえ、当時はこの手の発言が横行していたのでしょう。そう思っていろいろ調べていたら、この年の流行語は「セクハラ」でありました。
 そして「1」でも書きましたが、『釣りバカ』はサラリーマンや組織人ならではの矮小さや社畜っぷり、肩書偏重主義、事なかれ主義等々を徹底的におちょくると同時に、そこからいかに自由になるかを、ハマちゃんの生き様を通して教えてくれるのであります。

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 平成が終わろうとしている今、平成を通じて『釣りバカ』が訴えてくれていたマジなメッセージにも耳を傾けていきたいと思った「2」でありました。


文 小泉なつみ

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BSジャパンにて毎週土曜日夕方6時30分より「土曜だ!釣りバカ!」放送中!
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http://www.bs-j.co.jp/cinema/

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「釣りバカ日誌」公式サイト
▼「釣りバカ日誌2」作品情報
https://www.tsuribaka-movie.jp/movie/2/