男はつらいよ

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男はつらいよ 翔んでる寅次郎
スタッフ

第23作 (昭和54年8月 公開)
男はつらいよ 翔んでる寅次郎

北海道で、支笏湖の旅館の若旦那(湯原昌幸)に、言い寄られていた入江ひとみ(桃井かおり)のピンチを助けた寅さん。結局、若旦那の宿に泊まり、マリッジブルーのひとみの悩みを聞いてあげる。それからしばらくしたある日、ひとみは、婚約者の小柳邦男(布施明)との披露宴の当日、ホテルからウエディングドレスのまま逃げ出し、とらやへとやってくるのだが…
 田園調布のお嬢さんを田園地帯の貧しい娘と勘違いしてしまう寅さん。ウエディングドレスを来たまま、若いマドンナがとらやに現れる。『幸福の黄色いハンカチ』(77年)で、山田洋次監督と出会った桃井かおりの、ユニークなキャラクターをそのまま「男はつらいよ」の世界に登場させている。何不自由なく育ってきたお嬢さんが、マリッジブルーに悩み、本当の幸せについて真剣に考える。その婚約者に布施明。二人がもう一度、お互いを意識し合う場面は、山本直純の音楽とともに、観客を幸福な気持ちへと誘う。

入江ひとみ

入江ひとみ

これから
すばらしい人生が
広がっていくなんて、
そんな幸せな
気分になんか
なれないのよ

マドンナ

入江ひとみ

入江ひとみ(桃井かおり)

マリッジブルーになり、北海道で一人旅をしていたところ、寅さんと知り合う。田園調布のお嬢さん育ちの彼女を、寅さんは「貧しい田園地帯の娘」と勘違い。婚約者・邦男(布施明)との結婚披露宴の途中、ウエディングドレスのまま、式場のホテルを抜け出し、とらやへ・・・

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入江ひとみ 第23作 桃井かおり

中学生でイギリスのロイヤルバレエアカデミーに留学。高校卒業後、演劇を目指して文学座の養成所に入所。市川崑監督『愛ふたたび』(71年)でデビューを果し、数々の映画に出演。1977年、山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』に出演。その後、テレビ、映画で活躍。『SAYURI』(05年)でハリウッド進出、『無花果の花』(06年)で監督デビューを果した。2006年の『武士の一分』で久々に山田洋次作品に出演。

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ゲスト

旅館の若旦那

旅館の若旦那(湯原昌幸)

一週間でも十日でもごゆっくりどうぞ・・・

北海道支笏湖畔にある丸駒温泉旅館の若旦那。女一人旅のひとみに、襲いかかろうとしたところ、寅さんに見つかり・・・

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旅館の若旦那 第23作 湯原昌幸

1971年「雨のバラード」が大ヒット、歌だけでなく、ドラマ、バラエティ、司会などマルチタレントとして活躍。映画は、草刈正雄主演『がんばれ!若大将』(75年)、『激突!若大将』(76年)で青大将役を好演。

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小柳邦男

小柳邦男(布施明)

つまり、一度も言ったことなかったろう。君のこと好きだって・・・

インテリア会社・社長の御曹司。入江ひとみの婚約者だったが、結婚披露宴の途中、ひとみが失踪。彼女を悪く言う父親に反発して、仕事も辞めて家出。帝釈天近くの自動車工場で働くことに。そんな邦男に、ひとみは惹かれてゆく。

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小柳邦男 第23作 布施明

1965年「君に涙とほほえみを」で歌手デビュー、「霧の摩周湖」「積木の部屋」「シクラメンのかほり」など数多くのヒット曲を放つ。映画は『愛しのチイパッパ』(86年)、三谷幸喜監督『ラヂオの時間』(97年)『みんなのいえ』(01年)などに出演。

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入江絹子

入江絹子(木暮実千代)

正直に言って、あの寅さんって変な人のこと、あなた好きなの?

田園調布のマダム、ひとみの母。ウエディングドレスのまま失踪した娘の本当の気持ちが分からない。とらやに世話になっているひとみに対し、寅さんとの関係を疑う。

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入江絹子 第23作 木暮実千代

1938年松竹に入社、高峰三枝子らと共に、戦前松竹映画のヒロインとして銀幕で活躍。戦後は黒澤明の『酔いどれ天使』(48年)のヴァンプ役、『青い山脈』(49年)の芸者役、小津安二郎監督の『お茶漬けの味』(52年)の有閑マダムなどを好演。私生活ではボランティア活動でも知られ、1957年には青少年養護施設「鐘の鳴る丘・少年の家」後援会長に就任。

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男はつらいよ 翔んでる寅次郎

今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

"どうもありがとう"
そのくらいのこと言ってやんなよ。
その言葉だけであいつは幸せになれるんだから。
恋をする男の気持ちってのは
そんなもんなんだよ

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    やっぱり恋してんのかしら、お兄ちゃん
  • 車竜造
    車竜造
    あいつのは意見じゃありません、偏見です
  • 車つね
    車つね
    アメリカだのイタリアだの、まるで外国行ったみたいだねぇ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    寅さん、それじゃあ何かい、オレんとこの工員が、人並みに愛し合ったら悪いのか
  • 諏訪博
    諏訪博
    ふられた後で気がつくんじゃないのか、やっぱり恋をしていたんだと
夢

人類の悩み“便秘”の研究を続ける車先生。借金取りのタコが取り立てに来る。その時、その糸口が見つかる。さくらの煮た芋にヒントがあったのだ!

騒動

騒動

満男の作文騒動

満男が三重丸をとった作文を気分良く朗読。タコ社長が「子供でもちゃんと見てるんだねぇ」というほど寅さんのことが的確に書かれているのだが…

あにいもうと

あに
いもうと

ひとみが邦夫と再び結婚する決意をしたことを知った寅さんは、旅に出ようとする。しかし、さくらは「仲人をする約束をしたじゃない、駄目よ、旅に出たりしちゃ」と止める。寅さんがさくらの言葉にしたがって、旅を思いとどまったのは、この時ぐらいである。

人々

人々

  • 日下部医院の看護婦/岡本茉莉(寅さんに便秘の薬を処方する)
  • 支笏湖 丸駒温泉旅館の若旦那/湯原昌幸
  • 小柳邦男/布施明(ひとみの婚約者)
  • 結婚式の仲人/松村達雄
  • ひとみがとらやに向かうタクシーの運転手/犬塚弘
  • 京子/戸川京子(邦男の妹)
  • 入江絹子/木暮実千代(ひとみの母)

寅さんの
啖呵売

啖呵売

高級イタリアのネクタイ、待ってくださいよ。今、新聞に出ている偽物じゃない。大きな声じゃ言えないが、これは密輸品、ねぇ、だから急いで売らなければいけない。角は一流でパート、白木屋、赤木屋、黒木屋さんで紅白粉つけたお姐さんから下さい、頂戴で買ってごらん、一万から五千円はくだらない品物、今はそんなにくれとは言いません。お安くしちゃう、どう、お兄さん、アラン・ドロンそっくりだよ。(北海道白老町・虎杖浜神社・イタリー製ネクタイ)

売ネタ

  • イタリー製ネクタイ(北海道白老町・虎杖浜神社)
  • カーテン(東京都台東区浅草・新世界脇)

  • 御前様「本居宣長の和歌」
  • 邦夫(布施明)「止まり木」

ロケーション

  • とある地方 日下部医院/寅さんうたた寝をしている
  • 北海道 白老町 字虎杖浜 虎杖浜神社 寅さんがネクタイを啖呵売
  • 北海道 千歳市 支笏湖/寅さん、ひとみ(桃井かおり)を、若旦那(湯原昌幸)の魔の手から助ける
  • 北海道 千歳市 支笏湖 丸駒温泉旅館 若旦那の宿に寅さんとひとみが宿泊
  • 東京都 千代田区 紀尾井町 ホテル・ニューオータニ/ひとみと小柳邦男(布施明)の結婚披露宴
  • 東京都 台東区 浅草 新世界脇/カーテンの啖呵売をする寅さん
  • 東京都 葛飾区 柴又 川千家/ひとみと邦男の結婚祝賀会で、寅さん仲人に
  • 北海道 千歳市 支笏湖湖畔/寅さん、若旦那と再会
支笏湖

北海道 支笏湖

日本地図
北海道 支笏湖

支笏湖 基本情報

4万年ほど前に形成された支笏カルデラに水が溜まったカルデラ湖である。形成当初の形状は円形であったが、カルデラの縁に恵庭岳・風不死岳が噴出したことにより、現在のようなくびれた形となった。
「日本最北の不凍湖」であるが、これは温かい水が湖の深部に残存していて水面を暖めるため、湖面の水温が下がりにくいので凍りにくくなっているためである。しかし、低温の日が続いた場合には結氷することがある。最近の全面結氷は2001年(平成13年)で、その前は1978年(昭和53年)まで遡る。
また支笏湖は、透明度の高さで有名な摩周湖やバイカル湖に匹敵する透明度を有している。環境省の湖沼水質調査では何度も日本一に認定されている。湖の北西には、北海道三大秘湖の一つであるオコタンペ湖がある。

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第23作
北海道 支笏湖

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あの頃

食べ物

カップ麺

エリート人生を捨て、ひとみが住む柴又の近所の工場につとめることにした邦夫。馴れぬ一人暮らしの夕食はカップ麺。今や世界で親しまれているカップ麺は1971年に日本で初めて発売された。お湯を入れて3分で出来るスナック感覚で若者を中心に普及。第17作『夕焼け小焼け』では、タコ社長がカップの天そばを食べるシーンがあるが、おいちゃんは「何だそれ?」と、その存在をまだ知らなかったようだ。

モノ

ネクタイ

北海道白老町字虎杖浜、虎杖浜神社でネクタイの啖呵売をする寅さん。サラリーマンの必需品でもあるネクタイの起源は、2世紀のローマ帝国で、兵士が防寒のために羊毛の布を首に巻いたことからとされている。今のネクタイのスタイルが確立したのが17世紀のこと。日本に伝わったのが、ジョン万次郎がアメリカから帰国した際に、持ち帰ったのが最初とされる。

ファッション

ウエディングドレス

ウエディングドレスのまま、ひとみが飛び込んで来て、とらやの人々はビックリ。彼女が着ていたウエディングドレスのルーツはローマ帝国時代、キリスト教がヨーロッパに普及すると、結婚式が教会で行われるようになり、王族や貴族の花嫁が着た衣裳がその起源とされている。中世では黒のドレスと白のベールだったものが、18世紀後半以降より、純潔をイメージさせる白を基調とするものが定着した。日本では1873年に長崎で日本人女性と中国人男性の結婚式で、初めてウエディングドレスを着用したとされている。

主な出来事

7月20日
ジュネーブで「インドシナ難民問題国際会議」開催。
8月21日
第61回全国高校野球選手権大会、和歌山・箕島高校が大会初優勝。
9月3日
「昭和の名人」と称された落語家の六代目三遊亭圓生が79歳の誕生日に死去。

データ

封切り日
昭和54年8月4日
観客動員数
1,726,000人
入場料
1,300円
上映時間
107分
受賞歴
第34回毎日映画コンクール・特別賞/山田洋次監督を中心とする『男はつらいよ』シリーズの製作スタッフ(1979年度)
第22回ブルーリボン賞・主演女優賞/桃井かおり(同)
併映作品
『港町紳士録』
監督:広瀬襄 出演:友里千賀子、吉幾三、ホーン・ユキ、ハナ肇、谷啓
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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第23作 男はつらいよ 翔んでる寅次郎