連載「女ひとり、名画座行ってきます。」
【神保町シアターの巻/後編】
カテゴリ:連載「女ひとり、名画座行ってきます。」
今回は、古本と喫茶店とカレーとスポーツ用品と楽器の街、神保町にある「神保町シアター」にお邪魔しています!
前編で明らかになった、ツウもうなる特集の切り口。一方で、「昔の邦画はあんまり詳しくない…」という方も多いのでは。しかし神保町シアターの懐の深さはこんなものではありませんでした!
80〜90年代のアイドル映画も特集!
そうです、まさかの吉川晃司映画祭であります!
「うちが他の名画座と明らかに違うのは、80年代のアイドル映画もかけているところ。吉川晃司のほか、岡村靖幸、斉藤由貴といった当時のスター主演作も上映しましたね。80〜90年代初頭に作られたアイドル映画って、実は名作が多いんですよ。名画座というと白黒の巨匠作品を特集するイメージがあると思いますが、神保町シアターでは邦画史のなかでもスルーされがちな80〜90年代映画も紹介していきたいんです。まだ撮影所付きのスタッフが健在かつフィルムで撮影されていたこの時代の作品は、ノリは軽薄でも技術はしっかりしているのでクオリティがとても高い。CDにも80年代や90年代のコンピレーションアルバムがあるように、映画だってその時代の名作を括ってリコメンドしていけるって思っています」(佐藤奈穂子支配人/以下「」内同氏)
76年生まれの佐藤支配人らしいラインナップに、アラサーの自分もビンビンきました。
「でも好きな邦画を仕事で扱うのって複雑な気持ちで…。愛情がありすぎるがゆえに、大好きな作品に人が集まらないと傷つくので(笑)、どうしたらお客さんに楽しんでもらえるのかを常に考えています。ドラえもん映画祭もやりましたし、ゴジラ特集もやりましたが、普段そんなに映画を観ない方にも来ていただいて、楽しい記憶を神保町シアターで作ってもらえたらと。それこそ映画目当てでなくても、ふらりと立ち寄りたくなるような場所になりたいんです」
そんな佐藤支配人の言葉通り、館内にはお客さんを楽しませてくれるさまざまな装飾が施されていました。
あ、佐藤さん。私無類のビール好きなもので、ビールを飲みながら映画を観ていっていいですか!
「うち、フードや飲み物は扱っていないんです。施設自体もそんなに広くないので、当初から神保町の街をロビーにして欲しいと思っておりまして。上映を待っている間は街に出てもらって、ぜひ神保町散歩も楽しんでください。飲食物の持ち込みOKなので、テイクアウトしていただいても!」
なるほど〜。たしかに周辺には気になるスポットがたくさんありますもんね。ということで早速、佐藤支配人にオススメいただいた周辺のお店にも行ってきました!
【番外編】神保町シアター佐藤支配人のオススメスポットその①
<<avocafe(アボカフェ)>>
神保町シアターから靖国通りへ。スタバの横にある細い道を入って30秒ほど進むと見えてくるのが…
日本初のアボガド料理専門店「avocafe(アボカフェ)」です。
女性客で賑わうランチタイムに注文したのが、グリーンカレー(¥850)とアボカドバニラアイス醤油(¥500)!
グリーンカレーはきのこ、さつまいも、チキン、オクラなど、野菜がごろごろ入っていて美味!そしてアイスには、まさかの醤油をトッピング。んん、醤油?でもカラメルっぽい?甘いようでいてしょっぱい…!そんな複雑な味わいが楽しい一品でありました。
どちらのメニューもアボガドがたっぷり使われていますが、桃のようにすべすべとしていて、熟し方も完璧。アボガド好きならば一度は訪れたい名店です。
東京都千代田区神田神保町1−2−9ウェルスビル3階
03-5281-6177
【番外編】神保町シアター佐藤支配人のオススメスポットその②
<<文房堂>>
お腹もいっぱいになったところで訪れたのが、神保町シアターのすぐ近く、神田すずらん通りにある「文房堂」です。
建物がかっこよすぎます!!
明治20年、1887年に創業した文房堂は、日本初の油絵具を開発・販売したお店なんだとか。
オリジナルの油絵具をはじめ、店内にはかわいい雑貨もたくさん。特に1階は季節によって品揃えがガラリと変わるそうなので、こまめにチェックしたいところ。
そして8月19日(金)からは、100年以上の歴史のなかで初となるカフェが3階にオープン。ギャラリーも併設されているので、アートとコーヒーを一緒に楽しめます。
日本初のお店をめぐり、新しい名画座のかたちに触れた今回。神保町の街全体を楽しむ勢いで、ぜひ足を運んでみてくださいね!
東京都千代田区神田神保町1-21-1
03-3291-3441
(取材・文/小泉なつみ)
東京都千代田区神田神保町1-23
03-5281-5132
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