映画監督 野村芳太郎 再発見 & 再評価プロジェクト始動
松本清張原作『張込み』『ゼロの焦点』『砂の器』など、骨太な魅力に溢れたサスペンス作品群で日本映画界に新境地を開拓してきた監督・野村芳太郎(1919年4月23日生-2005年4月8日没)。その才能はサスペンスだけではなく、風刺の効いた喜劇(コメディ)・青春ドラマ・時代劇・女性映画など多彩なジャンルに及ぶ。
また、監督として手掛けた劇場公開映画は88作品だが、プロデューサー(製作者)としても辣腕を揮い、脚本・企画・原案、テレビ作品も加えると実に110作品にものぼる。まさに多彩なる多才のアルチザン(職人)なのである。
しかし、代表作『砂の器』公開から2024年で半世紀が経過し、同じく代表作『八つ墓村』公開からも半世記が過ぎようとしている2025年現在、日本映画史に残る偉大な業績を残した映画人のひとりであるにも関わらず、有名作品以外は世の中の記憶から忘れ去られている、もしくは残念ながら最初から記憶に残っていない、というのが現実である。
映画監督・野村芳亭を父に持ち、暁星学園~慶應義塾大学という経歴のイメージの通り、実に教養に富みスマートなインテリジェンスと粋な趣味性、ユーモアに溢れた人柄、黒澤明監督をして最高の助監督と言わしめ、山田洋次監督をはじめ数々の優秀なスタッフを育てた業績も含め、きたる没後20年の2025年を皮切りに、生誕110年の2029年までに、
「没後20年(2025年)から—―生誕110年(2029年)へ 多彩なる多才のアルチザン 映画監督・野村芳太郎」
と銘打ち、野村芳太郎監督の再発見と再評価を目指します。
まず没後20年にあたる本2025年は、下記6つのメニューを実施、始動の年とします。
① 書籍「砂の器 映画の魔性 監督 野村芳太郎と松本清張映画」3/10刊行 (樋口尚文 著/筑摩書房 刊) https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480874177
&刊行記念特集上映「監督・野村芳太郎が描く、作家・松本清張の世界」開催(3/1~3/14池袋・新文芸坐/7作品)
公開から半世紀を経た今も人気の映画『砂の器』。
松本清張原作を大胆に映像化した脚本・監督・音楽家による仕掛けとは?
本書では、初公開秘蔵資料をもとに、その秘密に迫る!
また、本書の刊行記念として3/1~3/14、池袋・新文芸坐にて、特集上映「監督・野村芳太郎が描く、作家・松本清張の世界」が開催。
『ゼロの焦点』『砂の器』や、未ソフト化作品『迷走地図』など清張映画7本を上映。
初日3/1(土)には、著者・樋口尚文氏と、春田和秀氏(『砂の器』子役=秀夫役)のトーク&サイン会も予定。
上映作品:『ゼロの焦点』『影の車』『砂の器』『鬼畜』『わるいやつら』『疑惑』『迷走地図』
② キュレーション型配信プラットフォーム「JAIHO (ジャイホー)」にて、幻の7作品(未DVD化作品)を、日本独占【初】配信
・3/7~『最後の切札』 ・3/18~『観賞用男性』 ・3/25~『背徳のメス』 ・4/2~『左ききの狙撃者 東京湾』
・4/9~『望郷と掟』 ・4/15~『女たちの庭』 ・4/22~『ダメおやじ』 ※期間:各作品配信開始より180日間
https://www.jaiho.jp/
③「午前十時の映画祭15 デジタルで甦る永遠の名作」にて『砂の器』上映
これまで「午前十時の映画祭」で上映した全316作品の中から、71,742票のリクエストから厳選した25本を、6/27~7/24の約1年間、上映期間は1作品2週間を基本とし、全国の映画館で連続上映。
『砂の器』は6/27~7/24上映。
映画祭公式HP https://asa10.eiga.com/2025/
④ 野村芳太郎 公式HP 開設 https://www.cinemaclassics.jp/nomura/
&当プロジェクト公式ロゴ発表 ※左から カラー/黒1色/白1
⑤ CS放送チャンネル「衛星劇場」にて、特集「野村芳太郎 没後20年 芳太郎&芳亭 親子鷹」放送 https://www.eigeki.com/special/nomurayoshitarou
※放送作品:『ねずみ小僧怪盗伝』『鳩』『昭和枯れすすき』『天龍下れば』『婦系図』
⑥ BS放送チャンネル「BS松竹東急」(BS260ch・全国無料放送)にて、『砂の器』『八つ墓村』『事件』を2025年11月放送予定
https://www.shochiku-tokyu.co.jp/
黒澤明監督をして最高の助監督と言わしめ、
山田洋次監督をはじめ数々の優秀なスタッフを育てた人物「映画監督・野村芳太郎」について作品を通じて再発見いただけましたら幸いです。