男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎恋やつれ
スタッフ

第13作 (昭和49年8月 公開)
男はつらいよ 寅次郎恋やつれ

島根県温泉津から寅さんがいそいそと帰って来た。聞けば、土地の女性と結婚するかもしれないというので、タコ社長とさくらが同行して島根へ向かう。ところが、相手の絹代(高田敏江)の行方不明の亭主が戻ってきていた。失意の寅さんは、津和野で二年ぶりに歌子(吉永小百合)と再会するが、歌子の夫は他界していた。しばらくして、柴又へ歌子がやってくる。歌子を励まそうと懸命な寅さんだったが…
 第9作『柴又慕情』で陶芸家と結婚、幸せに暮らしている筈の歌子は、夫の実家で肩身の狭い思いをしていた。寅さんとの再会をきっかけに、自立を目指す歌子の女性としての生き方を描く。二年ぶりに吉永小百合のマドンナ・歌子が登場し、寅さんは大ハリキリ。歌子といまだにギクシャクしている小説家の父・高見修吉(宮口精二)との間を、寅さんが取り持つことが出来るのか?

高見歌子

高見歌子

いくら心の中で
思っていても、
それが相手に
伝わらなかったら、
それを愛情と
いえるかしら

マドンナ

高見歌子

高見歌子(吉永小百合)

幸福な結婚をした筈の歌子だが、夫が病没。その実家の津和野で姑と同居し、肩身の狭い思いをしていた。寅さんの一言で上京、柴又に下宿し、自立の道を探す。小説家の父・修吉(宮口精二)とのギクシャクした関係に、寅さんが立ち上がるが・・・

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高見歌子 第9・13作 吉永小百合

少女時代からラジオなどで活躍し、松竹映画『朝を呼ぶ口笛』(59年)で映画デビュー。日活専属時代、沢山の青春映画に主演。なかでも浦山桐郎監督の『キューポラのある街』(62年)では、数多くの新人賞に輝く。『男はつらいよ』の歌子は、シリーズ初の二回登板マドンナとなり大きな話題となった。山田洋次監督とは2008年の『母べえ』、2010年『おとうと』で再びコンビを組み、2015年には山田組5本目となる新作『母と暮せば』の公開が控える。

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ゲスト

絹代

絹代(高田敏江)

主人がおととい帰ってきたですよ、あんまり突然で私もビックリしてしもうて

島根県温泉津で寅さんが結婚まで考えた女性。三年前、夫が子供を残して上方へ出たきり行方不明。同情した寅さんが岡惚れして、所帯を持つことを決意するが・・・

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絹代 第13作 高田敏江

1954年、東映第一期ニューフェースとして映画化入り。その後、劇団民藝へ入団し、映画、テレビ、舞台で活躍。「ケンちゃん」シリーズ(TBS)でのお母さん役、「3年B組金八先生」の鶴見辰吾の母親役など、お母さん女優としてお茶の間で親しまれた。

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高見修吉

高見修吉(宮口精二)

私は、口が下手だから、何というか誤解されることが多くてな

歌子の父。二年前に和解した筈の父娘だったが、歌子の亡夫の葬式にも出ず、仕事に明け暮れている。見かねた寅さんが、家に押し掛けて意見をする。

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高見修吉 第9・13作 宮口精二

1937年、文学座設立に参加。黒澤明監督の『續姿三四郎』(44年)で映画デビューを果し、木下惠介監督の『善魔』(51年)、小津安二郎監督の『麦秋』(56年)に出演。文学座の舞台のみならず映画でも活躍。なかでも『七人の侍』(54年)の孤高の剣客は高い評価を受けた。中平康監督の『光る海』(63年)でも吉永小百合の父親を演じている。

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今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

もし何かあったら葛飾柴又のとらやに訪ねて来な
悪いようにはしないから

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    お兄ちゃんが居ないとね、みんなだまーってテレビ観ながらご飯食べて、それじゃお休みなさいって寝るだけなの。お兄ちゃんどうしているかなって、いつだってみんなそう思っているのよ
  • 車竜造
    車竜造
    できる事なら恋でやつれてみてえよこっちも
  • 車つね
    車つね
    あたし達はお団子やつれ
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    おい博さん、寅さん帰ってきてな今夜重大発表するってよ
  • 諏訪博
    諏訪博
    僕は労働やつれか
夢

とある漁師町。「さくら!嫁さんもらったぞ」寅さんが花嫁を連れてくる。しかし叔父夫婦は既に亡くなっていて、長年の不幸を謝る寅さんであった。

騒動

騒動

寅さん結婚騒動

とらやで重大発表をする寅さん。しかし、その中身は、皆の期待の割には…結局、さくらと社長が同行して、意中の人に会うために、島根県へ。

あにいもうと

あに
いもうと

温泉津から「結婚するかも」の吉報を持って、寅さんが帰ってくる。さくらは、大阪へ用事があるタコ社長にも同行してもらい、はるばる島根県まで、寅さんと共に行くが・・・

人々

人々

  • タコ社長夫人/水木涼子
  • 電車の老人/吉田義夫、老婦人/武智豊子
  • 絹代/高田敏江(温泉津の窯場の女性)
  • 高見修吉/宮口精二(歌子の父で小説家)
  • 歌子の旧友・みどり/高橋基子、マリ/泉洋子
  • 蒸発していた絹代の夫

寅さんの
啖呵売

啖呵売

天に軌道のあるごとく人それぞれに生まれもったる、干支と言うものを持っております。とかく人生というものは波高くそして長いものであります。あなたの生まれた星によってあなたの運命というものが、定められておる。ね。どうすれば良いのか正しい暦の読み方、正しい暦の把握の仕方なんであります。(東京都台東区上野・不忍池・高島易断の暦、手相)

売ネタ

  • 傘(島根県益田市・大浜の縁日)
  • 高島易断の暦、手相(東京都台東区上野・不忍池)

  • 寅さん「喧嘩辰」
  • 桜田淳子「三色すみれ」

ロケーション

  • 京成電車/寅さんが夢からさめると、江戸川を越してしまう。
  • 国鉄山陰線/車内でカニ弁を購入するも社長に奢ってもらう寅さん。
  • 島根県 大田市 温泉津町 国鉄温泉津駅/寅さん、さくら、社長が降り立つ。
  • 島根県 大田市 温泉津町/絹代が働く窯場。三人が訪ねる。
  • 山陰の海岸/寅さんが佇む。
  • 島根県 津和野町 食堂すさや/寅さんは歌子と再会する。
  • 島根県 津和野町 津和野カトリック教会。
  • 島根県 津和野町 津和野藩校「養老館」/歌子が勤める町立図書館。
  • 島根県 津和野町 津和野川のほとり/歌子の話を寅さんが聞く。
  • 津和野交通のバス停/歌子、寅さんを見送る。
  • 東京都 大島町 伊豆大島/養護施設で働く歌子。
  • 山陰の海岸/寅さんが絹代一家と再会。
温泉津

島根県 温泉津

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島根県 温泉津

温泉津 基本情報

温泉津温泉(ゆのつおんせん)は、島根県大田市温泉津町(旧国石見国)にある温泉。港町でもある当地は「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として世界遺産に登録されている。

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第13作
島根県 温泉津

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津和野

島根県 津和野

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島根県 津和野

津和野 基本情報

津和野町(つわのちょう)は、島根県の南西に位置する町。

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島根県 津和野

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益田

島根県 益田

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島根県 益田

益田 基本情報

島根県西部に位置し日本海に面する。現在の市中心は高津川下流に広がる益田平野(吉田平野)の三角州に発展しており、明治時代からの中心部は益田駅東方の右田酒造付近(昔、瓦版が立っていた場所)(通称:旧益田)にある。
市域の南部は中国山地の西部に当たり、1000m級の山々が連なる。特に2004年11月に合併した美都地区、匹見地区についてはエリアの9割近くが山林となっており、匹見地区は日本最西端の豪雪地帯である。
なお、益田市の面積は、島根県内ではもっとも広い。

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第13作
島根県 益田

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あの頃

食べ物

うどん

寅さんが津和野のひなびた食堂“すさや”でうどんを食べていると、二年前ぶりに、歌子と再会する。寅さんの外食は、カロリーの高いラーメンが多いが、総じて麺類が好きなようだ。やつれて、柴又へ戻ったときも、おばちゃんが鶏のダシでうどんを作ってくれる。「卵二つ入れてな」とはおいちゃんの気遣い。

モノ

窯場

寅さんが結婚まで考えた、絹代は温泉津の窯場で焼き物を焼いている。彼女が焼いているのは、茶碗などの生活食器。歌子の亡くなった夫・鈴木正圀も陶芸家で、多治見に窯場を持っていた。寅さんは第29作『寅次郎あじさいの恋』では、人間国宝の陶芸家・加納作治郎と親しくなったこともある。

ファッション

半纏

温泉津の温泉旅館で、番頭をしていたという寅さん。粋な半纏を羽織って、水をまいているスチールが残されている。万事調子の良い寅さんに、番頭は最も似合う職業かもしれない。第3作『フーテンの寅』でも、三重県湯の山温泉の“もみじ荘”で、女将に一目惚れして、番頭稼業をしていたこともある。

主な出来事

8月8日
ウォーターゲート事件でニクソン米大統領辞任。
8月19日
国連人口会議
8月19日
第56回全国高校野球選手権大会は千葉・銚子商業高校が大会初優勝。
8月30日
三菱重工業本社で時限爆弾爆発(三菱重工爆破事件)
8月末
阿蘇山で1965年以来9年ぶりの噴火。

データ

封切り日
昭和49年8月3日
観客動員数
1,944,000人
入場料
1,000円
上映時間
104分
受賞歴
併映作品
『超能力だよ 全員集合!!』
監督:渡辺祐介 出演:ザ・ドリフターズ、長山藍子、榊原ルミ、フィンガー5、由利徹
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 佐藤公信

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第13作 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ