佐田啓二

佐田啓二さだけいじ

1926~1964年

プロフィール

京都府出身。木下惠介監督の映画『不死鳥』(47)で大女優田中絹代の相手役に抜擢される。翌年、NHKの人気ラジオドラマを映像化した『鐘の鳴る丘』(48)に主演。さらに人気を博す。岸惠子と共に出演した映画『君の名は』(53)が空前のヒットとなり、名実ともに大スターとなる。映画『喜びも悲しみも幾歳月』(57)小津安二郎監督『秋刀魚の味』(62)など代表作多数。NHK大河ドラマの第1作である「花の生涯」 (63)は、佐田の出演によって、他の映画俳優も後に続き、新たな時代の流れを作る一端となった。交通事故により、不慮の死を遂げた。

映画『真昼の暗黒』(56)撮影風景 ライトの横に佐田啓二

映画『真昼の暗黒』(56)撮影風景 ライトの横に佐田啓二

野村芳太郎監督作品とのかかわり

8作品に出演。佐田啓二は、二枚目俳優として不動の地位を築いた後も、それに飽き足らず、小林正樹監督『あなた買います』(56)や野村作品における『最後の切り札』(60)など、アクの強い人物を演じ、さらに演技の幅を広げていった。常連でもあった野村組では、『左ききの狙擊者 東京湾』(60)に、出演者でなく企画の立場で参加。スターが登場せず、小編成のオールロケという実験的な手法を取ったこの作品は、高い評価を得た。