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釣りバカ日誌 15

第17作 2004年8月21日
釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?

 人事制度改革をすべく鈴木建設に送り込まれた経営コンサルタント・薫(江角マキコ)は、リストラに反対する一之助の家族型経営理念に触れる。一方、伝助は新任課長・舟木(益岡徹)を言いくるめ、一週間のリフレッシュ休暇で秋田へと釣り旅行に向かう。そこで偶然、休暇で田舎に帰る薫と出会う伝助は、さらに釣り場で水産試験場の哲夫(筧利夫)と知り合う。薫は哲夫と同級生で、しかも哲夫にとっては初恋の人だった・・・
 朝原雄三監督にとって「釣りバカ」二本目となる本作は、小津安二郎の名作『麦秋』(52年)をモチーフに、婚期を逃したキャリアウーマンのヒロインが、幸福な結婚を迎えるまでをしっとりと描いている。仕事に追われ、婚期を逃したヒロインが、身近の幼馴染との結婚を決意するという展開に、『麦秋』の名場面をリフレインするようなショットや、シチュエーションが挿入される。西田敏行が「日本映画らしい滋味深い作品」と絶賛し、三國連太郎も「日本映画の神髄を思い出させてくれる喜劇」と評した。朝原監督は本作で文部科学大臣新人賞を受賞。

ゲスト
  • 江角マキコ
  • 筧利夫
  • 吉行和子
ロケ地
  • 秋田県 秋田市、仙北市(角館、西木)、男鹿半島
スタッフ
  • 監督:朝原雄三
  • 脚本:山田洋次、朝原雄三
  • 原作:作/やまさき十三 画/北見けんいち
  • 撮影:近森眞史 (J.S.C.)
  • 音楽:信田かずお
  • 美術:須江大輔

ゲスト

早川薫

(江角マキコ)

会社の人事改革やリストラ案を提案する経営コンサルタント。30半ばを迎え、キャリア一筋に生きて来た自分に、何か空しさを感じている。久しぶりに帰郷した秋田県で、同級生たちと再会、魚の研究に夢中になっている哲夫の素朴さに惹かれる。

福本哲夫

(筧利夫)

男鹿市にある、秋田県水産振興センター資源増殖部研究員。薫の同級生で、魚の研究に生涯を捧げようとしている。雑貨屋を営む母・信子(吉行和子)は、そんな息子の結婚を心配している。ある日、帰郷してきた薫と再会して・・・

福本信子

(吉行和子)

哲夫の母。雑貨店を営んでいる。魚の研究に没頭するあまり、彼女も作らない息子を心配している。そんな哲夫に縁談が持ち上がり、ようやく片付くとホッとしているが、哲夫の同級生・薫に意外な告白をされて・・・

ハマちゃん、スーさん

ハマちゃん
スーさん

久しぶりにスーさんが浜崎家を訪ねると、ハマちゃんが頭を抱えながら宿題をするように、コンサル会社が用意したキャリアプランシートを書いている。非人間的な人事改革案に反対のスーさんは「たった一枚の紙きれで社員を評価することなんかできない」と渋い顔。社員とその家族の「幸せ」についていつも考えているスーさんの悩みは深い。

鈴木建設

鈴木建設

経営コンサルタントに経営診断を依頼し、人事制度の大改革を測ろうと、重役たちが計画。家族的会社経営を是とするスーさんは、体の良いリストラ策に、ご機嫌斜め。一方、営業三課には、新課長・舟木範夫(益岡徹)が赴任。早速、ハマちゃんは、真面目一方の舟木課長を自分のペースに巻き込んで、年度始めのリフレッシュ休暇を取ってしまう。

浜崎家

浜崎家

鯉太郎(持丸加賀)の授業参観日のため、みち子さんから「学校に遅れたら絶対に許さない」と釘を刺されており、ハマちゃん、東京湾からあわてて小学校へと向かう。授業に間に合って、お魚の特別講義までするハマちゃんだが、クラスを間違えてしまい、みち子さんに大目玉をくらう。

恋愛事件簿

恋愛
事件簿

キャリアウーマンとしてバリバリやってきた早川薫(江角マキ子)は“負け犬組”を自認している。久しぶりに同級生の福本哲夫(筧利夫)と再会。生まれ故郷で、魚の研究一筋に生きる哲夫とふれあい、自分にとって「本当の幸せ」とは何かについて考える・・・。

あのひとシリーズ

  • 前原運転手
  • 太田八郎
  • 佐々木課長
  • ハマちゃん宴会芸

佐々木課長 次長

舟木課長をまんまとノセ、リフレッシュ休暇を獲得してしまったハマちゃん。そこへ佐々木次長がやってきて呆れる。「あの男の一度でも甘い顔をすると、要求が次から次へとエスカレートしてキリがない」と、舟木課長に「心してかからないと、最後は君の命取り」と、アドバイスをする。

釣果

  • メバル
  • タイ
  • イワナ

魚かいせつ

東京湾、太田丸でハマちゃんとスーさんが、早朝から狙うのはカサゴ目・メバル科のメバル。ハマちゃんばかりが釣れて、スーさんはクサり気味。秋田県男鹿市の大黒島で、ハマちゃんがヒットするのはスズキ目・タイ科のタイ。男鹿水族館GAOの前の岩場で、ハマちゃんが“なまはげ”姿で、タイを釣り上げる。

ロケーション

秋田県

ロケ地解説

タナボタ式にリフレッシュ休暇をとったハマちゃん、秋田新幹線で薫と隣り合わせとなり、険悪ムードになるも意気投合、秋田駅では笑顔で別れる。薫は秋田駅からほど近い千秋公園で、同級生たちとひととき過ごす。ハマちゃんは男鹿市の大黒島で釣りを楽しむ。薫の実家は、田沢湖にほど近い、仙北郡西木村にある。薫と哲夫がばったり合うのは、角館の武家屋敷通り。男鹿水族館GAOの開館式に出席したスーさんとハマちゃんが待ち合わせして、薫の結納式に向かう。

当時の世相

平成16年の
できごと

1月 自衛隊イラク派遣開始。
4月 営団地下鉄民営化、東京メトロ発足。
7月 性同一性障害特例法施行。
8月 アテネオリンピック開幕。
12月 スマトラ沖地震。

データ

公開日 2004年8月21日
上映時間 107分/シネマスコープ/SRD
スタッフ 監督:朝原雄三
製作総指揮:迫本淳一
製作:久松猛朗
プロデューサー:瀬島光雄、深澤 宏 
原作:作/やまさき十三 画/北見けんいち 小学館「ビッグコミックオリジナル」連載
脚本:山田洋次、朝原雄三
撮影:近森眞史 (J.S.C.)
美術:須江大輔 
音楽:信田かずお
照明:土山正人
録音:鈴木 肇
編集:石島 一秀
スチール:中原一彦
企画協力:日本映像(株)
ロケ協力:『釣りバカ日誌15 』秋田ロケ支援委員会
キャスト 西田敏行 (浜崎伝助)
浅田美代子 (浜崎みち子)
江角マキコ (早川薫)
加藤 武 (秋山専務)
鶴田 忍 (堀田常務)
小野武彦 (原口取締役)
笹野高史 (前原運転手)
中本 賢 (太田八郎)
中村梅雀 (草森秘書室長)
益岡 徹 (舟木課長)
濱口優(よゐこ) (営業三課・海老名)
さとう珠緒 (営業三課・鯛子)
小木茂光 (合田)
浅利香津代 (早川春江)
吉行和子 (福本信子)
谷 啓 (佐々木次長)
奈良岡朋子 (鈴木久江)
筧 利夫 (福本哲夫)
三國連太郎 (鈴木一之助)