丹波哲郎

丹波哲郎たんばてつろう

1922~2006年

プロフィール

東京都出身。戦後、学徒動員から復学し、1946年に中央大学を卒業。文化座在籍中に、映画『殺人容疑者』(52)で映画デビュー。翌年、新東宝に入社。1959年以降はフリーとして各社作品に出演。代表作は『切腹』(62)『日本沈没』(73)ほか多数。堪能な英語力を活かして、『第七の暁』(64)、ショーン・コネリーと共演した『007は二度死ぬ』(67)など10本の海外映画作品にも出演し、国際的に活躍した。テレビドラマでは「キイハンター」(68-73)「Gメン'75」(75-82)大河ドラマ「真田太平記」(85ー86)など、代表作多数。

映画『砂の器』(74)撮影風景 左から丹波哲郎、野村芳太郎

映画『砂の器』(74)撮影風景 左から丹波哲郎、野村芳太郎

野村芳太郎監督作品とのかかわり

4作品に参加。紆余曲折を経て、撮影が始まった映画『砂の器』。居並ぶ刑事たちを前に、丹波演ずる今西刑事が親子の不遇を語るクライマックスの捜査会議は、わずか2カットを、1日かけて撮影した。丹波は、感情をあらわにする演技、涙をこらえて語る演技、あくまで冷静に語る演技と3通りの表現を準備。野村監督、川又キャメラマンをはじめとするスタッフと熱気あふれる撮影となった。その後も『事件』(78) 『疑惑』(82)では弁護士役で登場。野村監督がプロデューサーを務めた『八甲田山』(77)にも出演した。