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釣りバカ日誌 10

第11作 1998年8月8日
釣りバカ日誌10

 重役陣に嫌気が差した一之助が、なんと鈴木建設を退社、社長を辞めてしまう。ようやく念願の釣り三昧と洒落込むが、なぜか空しい。「仕事をすべき」という、伝助の薦めで、資格を生かしボイラーマンとして再就職を果たすが、派遣先はなんと鈴木建設本社! マスクで顔を隠し、仕事をする一之助を面白がる伝助。はたして一之助の運命やいかに?
 シリーズ10周年を迎えた今作では、なんとスーさんが会社を辞めてしまう。シリーズの原点である“スーさんの秘密”に立ち返り、ドタバタ演出も楽しめる爆笑編。スーさんのボイラーマンの先輩となるのが、ハマちゃんの釣りの弟子の富田松五郎(金子賢)。彼が同棲している相手・岩下みどり(宝生舞)。二人の恋の行方が北九州ロケで描かれる。

ゲスト
  • 金子賢
  • 宝生舞
  • 夏八木勲
ロケ地
  • 福岡県 北九州市
スタッフ
  • 監督:栗山富夫
  • 脚本:山田洋次、朝間義隆
  • 原作:作/やまさき十三 画/北見けんいち
  • 撮影:花田三史
  • 音楽:かしぶち哲郎
  • 美術:横山豊

ゲスト

富田松五郎

(金子賢)

一之助が再就職先のビル・メンテナンス会社でコンビを組む青年で、伝助の釣りの弟子でもある。フリーター生活を続け、ミュージシャンを目指す松五郎に、恋人・岩下みどり(宝生舞)が将来への不安を抱き、実家に戻ってしまう。

岩下みどり

(宝生舞)

松五郎の恋人で、コーヒー専門店で働いている。アーチストを目指して頑張る松五郎を支えてきたが、妊娠をきっかけに、二人の結婚について真剣に悩む。しかし、その気持ちを理解できない松五郎に対して、実力行使に出る。

岩下耕作

(夏八木勲)

北九州市八幡に住む、みどりの頑固一徹な父。かつては製鉄所で働いていたが、現在はその跡地に立つテーマパークの駐車場で働いている。突然、訪ねてきた娘の恋人・松五郎に怒りを隠せない。

ハマちゃん、スーさん

ハマちゃん
スーさん

ついにスーさんの堪忍袋の緒が切れて、重役会議で「会社を辞める」と爆弾発言。悠々自適の釣り三昧と洒落込むが、どこか空しい。「自分はハマちゃんより、釣りが好きなのだろうか?」と悩みを打ち明ける。それに対するハマちゃんは「仕事をするからこそ、釣りが楽しい」と明確に答える。次第に腹を立ててきたハマちゃんが、嫌味まじりの説教を始めると、スーさんは発奮して再就職を決意するが・・・

鈴木建設

鈴木建設

「今や、建設業界は生きるか死ぬかの瀬戸際だぞ、営業マンとしての危機意識はないのか」と怒り心頭の佐々木課長に対して、ハマちゃんは一向に気にしないようだ。今回も釣り仲間のネットワークを活かし、佐々木課長には出来なかった、銀座のデパート改築のコネクションをつけてしまう。

浜崎家

浜崎家

不景気な時代、押し寄せるリストラの波。出世とは無縁のハマちゃんには、まったく危機感がないようだ。しかし、スーさんのことは心配で、初老の男性が自殺したとのテレビのニュースで、ハマちゃんはスーさんの身を案じるが・・・

恋愛事件簿

恋愛
事件簿

スーさんの仕事仲間で、ハマちゃんの釣りの弟子でもある富田松五郎(金子賢)。長年同棲している恋人・岩下みどり(宝生舞)が、将来のことに不安を抱き、実家に帰ってしまう。意気消沈する松五郎のために、ハマちゃんが一肌脱ぐこととなるが・・・

あのひとシリーズ

  • 前原運転手
  • 太田八郎
  • 佐々木課長
  • ハマちゃん宴会芸

ハマちゃん宴会芸

クライマックスの宴会芸のシーンではなんと、ハマちゃんが“高木ブーとニューハロナ”をバックにハワイアンに挑戦。「高砂屋」をハワイアンスタイルで気持ちよさそうに歌う。

釣果

  • アジ
  • ニジマス
  • スズキ

魚かいせつ

伊東の海で前原運転手が釣り上げるのは、スズキ目・アジ科のアジ。夏から秋にかけて最盛期、初心者にも最適として親しまれている。河口湖でハマちゃんが松五郎に指南するのは、ニジマス釣り。北九州市に到着したハマちゃん、スペースワールドに向かう船の中で、背広から携帯釣り竿を取り出し、弁当のおかずを餌に釣りを始める。ラスト、鈴木建設がフィッシングセンターを計画している北九州関門海峡の響灘でハマちゃんとスーさんが挑戦するのは、スズキ目・スズキ科のスズキ。

ロケーション

福岡県

ロケ地解説

社長を辞めたスーさんが、前原運転手の車で向かうのが、静岡県伊東市の温泉旅館。いやがる前原運転手を引き止めて、ひとばん酒を酌み交わしたものの、スーさんは翌日二日酔い。張り切る前原運転手は伊豆の海で釣りに目覚める。富士山が見える河口湖で、ハマちゃんが松五郎たちと釣りを楽しむ。また、岩下みどり(宝生舞)の実家がある北九州市に、出張で訪れるハマちゃんに松五郎が同行する。1963(昭和38)年に、門司市・小倉市・戸畑市・八幡市・若松市が合併して、北九州市となった。市制35周年を記念しての本作には、スペースワールド、若戸大橋などが登場する。

当時の世相

平成10年の
できごと

2月 長野冬季オリンピック
3月 奈良県明日香村のキトラ古墳で、四神の白虎図、天文図発見。
4月 明石海峡大橋開通。
7月 和歌山毒物カレー事件。
9月 黒澤明監督死去。
10月 米英、イラク空爆。

データ

公開日 1998年8月8日
上映時間 110分/シネマスコープ/モノラル
スタッフ 監督:栗山富夫
プロデューサー:瀬島光雄、中川滋弘
原作:作/やまさき十三 画/北見けんいち 小学館「ビッグコミックオリジナル」連載
脚本:山田洋次、朝間義隆
撮影:花田三史
美術:横山豊
音楽:かしぶち哲郎
照明:渡邊孝一
録音:近藤勲
編集:鶴田益一
スチール:金田正
企画協力:日本映像(株)
ロケ協力:北九州市制35周年記念「釣りバカ日誌10」ロケ実行委員会、
社団法人北九州青年会議所
キャスト 西田敏行 (浜崎伝助)
浅田美代子 (浜崎みち子)
金子 賢 (富田松五郎)
宝生 舞 (岩下みどり)
小野寺昭 (川島営業本部長)
中本 賢 (太田八郎)
細川ふみえ (営業三課・ひとみ)
なぎら健壱 (日下部正俊)
児玉謙次 (竪山常務)
塩屋 俊 (総務課長)
上野 友 (浜崎鯉太郎)
奈良岡朋子 (鈴木久江)
中村梅雀 (草森秘書室長)
加藤 武 (秋山専務)
石井苗子 (ニュースキャスター)
高木ブーとニューハロナ
竜 雷太 (原口取締役)
鶴田 忍 (堀田常務)
笹野高史 (前原運転手)
谷 啓 (営業三課・佐々木課長)
夏八木勲 (岩下耕作)
三國連太郎 (鈴木一之助)