今日もまたかくてありなん

ささやかな庶民の生活を驚かす存在に人はどう対処していくべきかを問う問題作!

見どころ

歌舞伎界の名優・十七代目中村勘三郎が念願の木下映画出演。心に傷を負った元軍人に扮し、哀しみをやがて怒りに変えていく!

あらすじ&解説

ひと夏の間、湘南のマイホームを避暑用に貸すことにした佐藤家の妻・保子は実家へ戻り、そこで謎の中年男・竹村に出会う。一方、その町はヤクザが闊歩し始めていた……。 『楢山節考』を見て感銘を受けた十七代目・中村勘三郎が木下惠介監督と仕事がしたいとラブ・コールをかけ、その意を受けて木下監督が彼を想定して脚本を執筆、演出にあたった人間ドラマ。「今日もまたかくてありなん」と願う庶民のささやかな生活を脅かす悪を決して許してはいけないという、木下監督の強固な意志が如実に反映された作品で、勘三郎はその代弁者として画面を席巻していく。松竹蒲田時代から伝統の小市民映画の韻を踏みつつ、クライマックスでは激辛の展開を披露するという構成も含めて、どこかしら後の任侠映画の魁のようにも感じられてならない。ヤクザ役で三国連太郎が久々に木下映画出演を果たしている。

公開日
1959年09月27日
本編尺
74分
受賞歴
キャスト
久我美子 高橋貞二 三國連太郎 田村高廣 十七代目中村勘三郎
スタッフ
製作: 細谷辰雄
製作補: 脇田茂
監督・脚本: 木下惠介
撮影: 楠田浩之
照明: 豊島良三
音楽: 木下忠司
録音: 大野久男
美術: 梅田千代夫
編集: 杉原よ志
監督助手: 大槻義一