なつかしき笛や太鼓

バレーボールをモチーフにした郷土色豊かな、さわやかスポ根映画!

見どころ

瀬戸内海の小島で起きた実話を基に熱血教師と駄目っ子生徒たちの交流を快活に描いていく人間愛に満ちた快作

あらすじ&解説

昭和29年、家田は戦友の遺児を育てるべく、彼の住む瀬戸内海小手島の中学教師となった。やがて彼はバレーボールを通して島の子供たちに努力の尊さを教えようとする……。 『香華』の後、1964年に松竹を退社した木下惠介監督が東宝に企画を持ち込み、東宝&宝塚映画&木下プロダクション提携で製作された東宝創立35周年記念映画。実話を基に瀬戸内海の小島で教師と生徒の交流を描くという内容から一見『二十四の瞳』を彷彿させるものもあるが、こちらの島の大人たちの心は荒み、子供たちも無気力で自信なさげ。かくして夏木陽介扮する熱血教師も俄然ハッスルし始め、次第にさわやかなスポ根映画としての色も濃厚になっていく。エログロ暴力が主流となりつつあった当時の日本映画界に反発するかのように堂々と打ち出されていく木下流ヒューマニズムもまた、島の美しい風景や、笛や太鼓といった郷土色豊かな音色に彩られながら、一層力みなぎっていく。

公開日
1967年09月30日
本編尺
114分
受賞歴
・1967年度キネマ旬報ベスト・テン第9位
キャスト
夏木陽介 大空真弓 浦辺粂子 小坂一也 藤原釜足 谷口完
スタッフ
製作: 藤本真澄、金子正且
製作・監督・脚本: 木下惠介
撮影: 楠田浩之
照明: 下村一夫
音楽: 木下忠司
録音: 中川浩一
美術: 松山崇
編集: 杉原よ志
監督助手: 野村純一