第10作 1997年9月6日
釣りバカ日誌 9

佐々木課長(谷啓)の願いも空しく、鈴木建設の新営業部長に伝助の同期の馬場(小林稔侍)が抜擢される。エリートの馬場は、我が道を行く伝助と妙にウマが合うが、私生活はバツイチで引きこもりがちの息子との関係に悩む。やがて、心を寄せるスナックのママ・茜(風吹ジュン)が故郷“センダイ”に帰ることを聞かされる。ある日、ショックを隠せない馬場は、一之助、伝助とともに、鹿児島県に出張するが・・・
親友が出世しても何の屈託もないハマちゃんは、釣りバカのネットワークを活かして、独自の営業スタイルで商談を成立させる。「浜崎のようなやり方もあるんだ」と感心する馬場。ハマちゃんの趣味を生かした人脈による仕事ぶりも見もの。また、男ヤモメの馬場とスナックのママ・茜のラブ・ロマンスが丁寧な描写を積み重ねて展開される。馬場と引きこもりがちな息子をめぐるエピソードも深い印象を残す。「男はつらいよ」シリーズの山田洋次と朝間義隆コンビの名脚本、栗山富夫監督の演出、落ち着いた味わいの作品。