ATGと提携し製作された1千万映画でありながら、キネマ旬報ベストテン第1位・監督賞・女優賞などこの年の映画賞を独占した篠田の最高傑作。近松門左衛門の人形浄瑠璃をベースに、大阪天満御前町の紙屋治兵衛が、妻を捨てて遊女との情死行に至る狂おしく燃える愛の情念を描く。近松の”虚実の被膜”を、圧倒的な美術力、様式美、黒衣の登場で作り上げ世を驚かせた名作。
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