男はつらいよ

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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
スタッフ

第25作 (昭和55年8月 公開)
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花

懐かしいリリー(浅丘ルリ子)から、寅さんへ手紙が舞い込んでくる。彼女は沖縄で仕事中に倒れて、入院しているという。“寅さんに一目逢いたい”というリリーの願いを叶えるべく、寅さんは那覇へ向かう。懸命の看病の甲斐あって、リリーは退院。二人は小さな家を間借りして同棲を始める。ある日、気を許し合っただけに、二人は大げんかをしてしまう…
 寅さんとリリー、ついに沖縄で同棲! 毎回、お互いの心を通わせて来た二人の愛は果たして成就するのか? 灼熱の沖縄を舞台に大人のロマンスが展開する。下宿先の息子・国頭高志(江藤潤)との間に、焼き餅を焼く寅さん。「あんたと私が夫婦だったら」というリリーの女性としての想い。情熱的なリリーと、売り言葉に買い言葉の寅さんの喧嘩は、お互いの愛情の発露のようでもある。そんな二人に気をもむとらやの人々。爽快なラストシーンも含めて、シリーズ屈指の傑作となった。

リリー

リリー

私達、
夢見てたのよ、きっと。
ほら、
あんまり暑いからさ

マドンナ

リリー

リリー(浅丘ルリ子)

第15作『寅次郎相合い傘』で、寅さんと“結婚してもいい”と発言。さくらやファンを喜ばせたリリーは、その後、相変わらずの旅暮らし。小岩のキャバレーへチラシを納品に行く途中の博と再会。寅さんへの想いがつのる。そして沖縄のキャバレーでステージ中に吐血、入院。心細い気持ちを、寅さんへの手紙にしたためる。

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リリー 第11・15・25・48・49作 浅丘ルリ子

日活映画『緑はるかに』(55年)でデビュー、芸名はその時の役名で、画家の中原淳一が命名。日活では小林旭、石原裕次郎映画のヒロインをつとめ、同時に蔵原惟繕監督の『夜明けのうた』『愛の乾き』などの女性映画に主演。『男はつらいよ』のリリー役は、11作『寅次郎忘れな草』、15作『寅次郎相合い傘』、25作『寅次郎ハイビスカスの花』、48作『寅次郎紅の花』で、四回演じている。

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ゲスト

国頭高志

国頭高志(江藤潤)

リリーさんは病気が治ったばかりじゃないか。なんでもっといたわってあげんのだ

寅さんとリリーが間借りする国頭家の長男。熱血正義漢。融通の利かなそうなところが、博に似ている、とは寅さんの言葉。リリーの寅さんへの思いを知り、彼女を大切にしない寅さんに怒りをぶつける。

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国頭高志 第25・49作 江藤潤

1975年、黒木和雄監督『祭りの準備』の主役に抜擢され、テレビ「青春の門」(76年MBS)、長谷川和彦監督『青春の殺人者』(76年)、藤田敏八監督『帰らざる日々』(78年)といった作品で好演。1980年の『純』ではナイーブな青年心理を演じて、高い評価を受けた。

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今回の寅さん

寅さん
名ゼリフ

寅「何だ。おまえ、おめかしなんかして、
どうかしたのか」
リリー「二枚目が訪ねて来るんだもの」
寅「誰が、い、いつ来るの?」
リリー「もう来てるよ」
寅「え、ど、どこに?」
リリー「私の目の前・・・」

車一家登場人物の一言

  • 諏訪さくら
    諏訪さくら
    相手はリリーさんよ。あの人だったら苦労はしてるし、お兄ちゃんみたいなわがままな男でもちゃんと面倒をみることが出来る人よ。
  • 車竜造
    車竜造
    いいか、寅、どこの世界にお前にプロポーズするような女がいるんだ、そこんとこをよく考えろ
  • 車つね
    車つね
    ハブにかまれて、死んじゃったんだよ、きっと
  • 桂梅太郎
    桂梅太郎
    えらいことになっちゃったよ。とうとう税務署にバレちゃった
  • 諏訪博
    諏訪博
    でも、人に同情されるのは、嫌なんじゃないか、あの人は
夢

江戸の夜、ねずみ小僧寅吉をに包囲網がせまる。貧しい家に逃げ込む寅吉。「もしやあなたは?」と女房のおさく。感動の兄妹の再会も束の間…

騒動

騒動

あやめ見物騒動

慰安のため、一家が水元公園へあやめ見物に出かけようとしたその時、寅さんが帰ってくる。九州旅行騒動・メロン騒動のように、気を使い過ぎて過剰反応をしてしまう一家だが…

あにいもうと

あに
いもうと

リリーと寅さんの結婚を一番願っているのはさくら。『相合い傘』では、さくらが結婚を促し、それがゆえに二人はまた別れることになったが、今回、リリー急病の報せを受け、寅さんの飛行機代まで博が工面。二人の同棲を知ったさくらの想いは・・・

人々

人々

  • たがみ病院 内科 知念先生/津嘉山正種
  • 国頭フミ/間好子(リリーと寅さんが間借りする国頭家の母)
  • その息子・国頭高志/江藤潤
  • その妹・国頭富子/金城富美江
  • 山里かおり/新垣すずこ(イルカ・スタジオ勤務)
  • くるまやの店員・三平/北山雅康、加代/鈴木美恵

寅さんの
啖呵売

啖呵売

さて、沖縄県民のみなさま、毎日お仕事本当に、御苦労さまでございます。わたくしは、東京は葛飾柴又からはるばる海を越えて、ジェット機に乗ってやって参リました。御当地初のお目見えでございます。御挨拶がわり御名刺がわり、今日は儲けは一切考えない、本来ならばこれ全部タダでやっちゃう、しかし、私には病気の妻がいます、私の恋する恋女房、これがいい女だ。(沖縄県那覇市・牧志第一公設市場・ゴム草履)

売ネタ

  • ゴム草履(沖縄県那覇市・牧志第一公設市場)

  • 寅さん「十九の春」
  • リリー「東京夜曲」
  • リリー「白浜節」
  • 国頭家のお母さん「下千鳥」
  • イルカスタジオの職員たち「唐船ドーイ」
  • <挿入歌> 喜納昌吉&チャンプルー「ハイサイおじさん」
  • <挿入歌>「十九の春」

ロケーション

  • 群馬県 吾妻郡 長野原町 北軽井沢 浅間山を望む場所/タイトルバック
  • 長野県 北佐久郡 軽井沢 白糸の滝/タイトルバック
  • 東京都 江戸川区 小岩駅前繁華街/博、リリーと再会
  • 上州 駅前の食堂/寅さんが柴又へ電話をかける
  • 東京都 大田区 羽田空港/寅さんをやっとの思いで飛行機に乗せる博
  • 沖縄県 那覇市 鏡水 那覇空港/寅さんがヘトヘトで到着
  • 沖縄県 那覇市/寅さんが、那覇バス市内線・銀バスに乗車
  • 沖縄県 那覇市 首里石嶺町/たがみ病院へ寅さんがリリーを訪ねる
  • 沖縄県 那覇市 牧志 ホテル入船/宿泊する寅さん
  • 沖縄県 那覇市 新天地市場前/啖呵売をする寅さん
  • 沖縄県 背底島/リリーと高志、船に乗っている。本部の海をダイビングする高志
  • 沖縄県 国頭郡 本部町 字石川 沖縄海洋博記念公園/寅さんがイルカ・スタジオを見物
  • 沖縄県 金武町 キャンプハンセンゲート前 新開地/仕事を探すリリー
  • 沖縄県 金武町 ドライブ・イン浜田/高志とカレーを食べるリリー
  • 沖縄県 国頭郡 本部町 字石川 沖縄海洋博記念公園/イルカ・スタジオに再びやってくる寅さん
  • 沖縄県 国頭郡 国頭村字奥間/オクマビーチでカーチャ−シーを楽しむ、イルカ・スタジオのスタッフと寅さん
  • 群馬県 吾妻郡 六合村荷付場 草軽交通バス 上荷付場停留所/寅さん、リリーと再会
沖縄

沖縄県 沖縄

日本地図
沖縄県 沖縄

沖縄 基本情報

国土地理院、海上保安庁によると、沖縄県は363の島から成っている。49の有人島と多数の無人島からなり、0.01km²以上の面積を有する島は160島存在する。最東端から最西端までは約1,000km、最北端から最南端までは約400kmと、広大な県域を持つ。 南西諸島は鹿児島県から台湾近くまで長く延びており、地理的分布では北のトカラ列島までと、奄美群島と沖縄諸島および先島諸島の3つに大きく分けられる。沖縄本島と先島諸島の伊良部島との間は直線で約250km、与那国島と台湾の間は約100kmであるのに対し、奄美大島と屋久島の間は約200kmである。

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軽井沢

長野県 軽井沢

日本地図
長野県 軽井沢

軽井沢 基本情報

避暑地、別荘地として非常に有名である。西武グループの手による観光開発が行われ、首都圏や中京圏などから多くの観光客が訪れる地域である。2005年には、約780万人の観光客が訪れている。
日本において財務状況が優良な地方自治体であり、地方交付税不交付自治体となっている。
1964年の東京オリンピックでは馬術、1998年の長野オリンピックではカーリングの競技会場にもなり、世界で唯一、夏季・冬季両方のオリンピック競技会場とされた町である。

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第25作
長野県 軽井沢

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あの頃

食べ物

ゴーヤチャンプルー

とらやの茶の間で、沖縄での日々を回想するリリーと寅さん。食卓に上ったリリーの手料理の一つがゴーヤチャンプルー。ゴーヤとは、ウリ科の植物で正式名を蔓茘枝(ツルレイシ)といい、ニガウリとも呼ばれる。チャンプルーとは、野菜や豆腐、卵をいためた沖縄の郷土料理。「混ぜる」という意味で、日本語の「ちゃんぽん」と同源語。

モノ

ハイビスカスの鉢

タイトルにもなっている「ハイビスカス」。リリーが沖縄の思い出とともに、とらやへ手みやげにするのが「ハイビスカスの鉢」。ハイビスカスはアオイ科フヨウ属の総称で、通常ブッソウゲ=仏桑はなのことを呼ぶ。ハワイの州花でもあり、北半球の熱帯、亜熱帯を中心に、温帯地域にも自生している。花言葉は「信頼」「繊細な美」。本土に渡来したのは、慶長年間(1610年頃)、薩摩藩主島津家久が、琉球産のブッソウゲを徳川家康に献上したのが最初とされている。

ファッション

ふんどし

たがみ病院にリリーを見舞った寅さん。カバンの中から、次々と皆の心づくしのお見舞いの品を出す。最後に出て来たのはエプロンならぬ、寅さんのふんどし。寅さんは昔からパンツではなく、ふんどし派。褌は戦国時代に武士や兵士たちが着用し、高価な麻が主流だったが、江戸時代になると木綿になり庶民にも普及。戦前までは日本人男性の下着の主流だったが、戦後はパンツにそのシェアを譲ることになる。ちなみに博はパンツを着用、寅さんに「パンツ野郎」と叱られたこともある。

主な出来事

8月14日
富士山吉田口で落石、12人が死亡。落石は9合目付近で発生し、6合目下まで落下。
8月16日
静岡駅前の地下街でガス爆発。死傷者200人以上。(静岡駅前地下街爆発事故)
8月19日
新宿西口バス放火事件。

データ

封切り日
昭和55年8月2日
観客動員数
2,063,000人
入場料
1,400円
上映時間
104分
受賞歴
第4回日本アカデミー賞・最優秀脚本賞/山田洋次、朝間義隆(1980年)
同・最優秀主演女優賞/倍賞千恵子(同)
同・特別賞/渥美清(同)
第5回報知映画賞・最優秀主演女優賞/倍賞千恵子(同)
併映作品
『思えば遠くへ来たもんだ』
監督:朝間義隆 出演:武田鉄矢、あべ静江、熊谷真美、植木等、乙羽信子
スタッフ
監督 : 山田洋次 脚本 : 山田洋次 朝間義隆
原作 : 山田洋次
撮影 : 高羽哲夫
音楽 : 山本直純
美術 : 出川三男

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